事業コンシェルジュならではの分厚いサポートを支える戦略インフラ
業務支援にまで踏み込む弥生のカスタマーセンターの真髄に迫る
8月21日、弥生は札幌にあるカスタマーセンターのプレス向けツアーを実施した。この規模のソフトウェア会社としては異例のスケールを誇るカスタマーセンターは、「事業コンシェルジュ」を標榜するという同社のビジネスの要だった。
お客様は製品を購入するのが目的ではない
個人事業主・中小企業向けに業務ソフトを展開する弥生は、現在大阪と札幌で2つのカスタマーセンターを運営している。今回見学したのは、市内のビルで展開されている札幌のカスタマーセンター。イベントで登壇した弥生代表取締役社長の岡本浩一郎氏は、カスタマーセンターやサポートサービスの概要はもちろん、サポート体制の強化や最新の問い合わせ動向まで幅広く説明した。
弥生はパッケージ版の弥生シリーズを購入した顧客向けに「あんしん保守サポート」という年間契約の有償サポートを提供している。顧客はニーズに合わせて「セルフプラン」「ベーシックプラン」「トータルプラン」という3つのプランから選択できる。顧客は電話でカスタマーセンターに問い合わせることで、製品の操作やデータ保守、活用サービスなどのサポートを受けられる。
ここまでは他社と同じだが、弥生で特徴的なのは弥生製品の保守を超えた業務支援をサポートメニューとして提供しているところ。たとえば、「業務ヘルプデスク」というメニューでは、仕訳相談はもちろん、確定申告や消費税改正などのアドバイスや相談も受けられる。さらに「業務支援サービス」では、スモールビジネスでは常設が難しい顧客の情報システム部や総務部のサービスを利用できる。
岡本氏は「そもそも論として、お客様がなにを求めているのか? やや自虐的だが、お客様は製品を購入することが目的ではない。達成したいのは業務を成立させること、効率化すること、成功させること」と語る。そのため、単にソフトの操作を教えるだけではなく、業務を円滑に遂行させるためにあるというのが、弥生の考えるサポートサービスというわけだ。
4人に3人が加入するサポートを支える現場
こうした手厚いサービスを受けられるあんしん保守サポートの支持は高く、加入率はなんと76.1%。弥生シリーズを購入した顧客のうち、実に4人に3人以上がサポートサービスに加入していることになる。加入者数は2014年6月末時点で40万7121事業者で、サポートの更新率も86.6%を記録している。製品導入時に仕方ないから保守サポートに加入するのではなく、多くのユーザーがその価値を認め、積極的にサポートに加入していることがわかる。
昨年からは“あんしん”キャンペーンを実施。「一度利用していただくと、満足していただけるのですが、加入する際に迷われてしまう方が多い」(岡本氏)とのことで、弥生13/14シリーズを新規購入したユーザーに、あんしん保守サポートを最大15ヶ月無償で提供する。これにより高い満足率と継続率を得ているという。
このように操作サポートから業務相談へと移りゆくあんしん保守サポートを支えるのが、今回取材した弥生の札幌カスタマーセンターだ。
(次ページ、現場の問い合わせや苦労などが披露!)