通信料が安くなる!
驚きの高速LTE回線サービス「格安SIM」とは?
「毎月のスマホの通信料を安く済ませたい」と考えている人は多いだろう。あるいは、使わなくなったスマホを家族用として使ったり、LTE対応タブレットを外出先で使いたいと思っている人もいるはずだ。そんな人にオススメなのが、毎月1000円程度の月額料金で高速LTE回線を利用できるデータ通信サービス、通称「格安SIM」。ドコモやau、ソフトバンクといった大手通信キャリアに比べて月の通信料が圧倒的に安いことから人気を博し、近年利用者が急増している。格安SIMを取り扱う企業も多く、さまざまなサービスが提供されている状況だ。
注目株は「楽天ブロードバンドLTE エントリープラスプラン」
その中でも、今回紹介する「楽天ブロードバンドLTE」は、楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズが提供する格安SIMサービスには注目だ。毎月の利用料金や通信容量の異なる7種類のプランが用意され、利用スタイルに合わせて選択できる点が魅力なのだ。
楽天ブロードバンドLTEの各プラン詳細 その1 | |||
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プラン種別 | エントリープラン | エントリープラスプラン | エントリープラス SMSプラン |
月額料金 | 834円 | 900円 | 1040円 |
初期費用 | 3000円 | ||
高速通信容量 | 300MB/月 | 1GB/月 | 1GB/月 |
制限後の通信速度 | 300kbps※1 | 300kbps※2 | |
転送量制限 | なし | 3日間で400MB | |
SIMカード枚数 | 1枚 | ||
SIMカードの種類 | 標準SIM/マイクロSIM | 標準SIM/マイクロSIM/nanoSIM | |
容量追加オプション | 100MB/500円 | 400円(時間オプション24H) | |
SMSオプション | なし | あり |
楽天ブロードバンドLTEの各プラン詳細 その2 | ||||
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プラン種別 | ライトプラン | ライトプラスプラン | ライトプラス SMSプラン |
アクティブプラン |
月額料金 | 1429円 | 1677円 | 1817円 | 2839円 |
初期費用 | 3000円 | |||
高速通信容量 | 1.2GB/月 | 3GB/月 | 制限なし | |
制限後の通信速度 | 300kbps※1 | 300kbps※3 | 300kbps | |
転送量制限 | 3日間で150MB | 3日間で400MB | 3日間で300MB | |
SIMカード枚数 | 1枚 | |||
SIMカードの種類 | 標準SIM/マイクロSIM | 標準SIM/マイクロSIM/nanoSIM | 標準SIM/マイクロSIM | |
容量追加オプション | 100MB/500円、300MB/1200円 | 400円(時間オプション24H) | なし | |
SMSオプション | なし | あり | なし |
※価格はすべて税別
※ユニバーサルサービス料を除く
※1 月の転送量が5GBを超えると、さらに制限速度が低下する場合がある
※2 月の転送量が2GBを超えると、さらに制限速度が低下する
※3 月の転送量が4GBを超えると、さらに制限速度が低下する
「高速通信容量」や「転送量制限」など耳慣れない用語が出てきて、とまどっている人もいるかしれない。だが用語の意味自体は単純だ。「月額料金」とは文字通り毎月の利用料金で、それぞれに消費税を加えた金額を支払う必要がある。「初期費用」は契約時の手続きに必要な費用で、消費税を加えた金額を1回だけ支払えばOK。
「高速通信容量」とはネット利用時にやり取りしたデータ量の合計で、「1GB/月」とは1カ月あたり1GBまでのデータをやり取りできることを表わす。しかし、思いがけずその月の容量をオーバーしてしまうこともあるだろう。通信速度は最大で下り112.5Mbps/上り37.5Mbps(LTEエリア)だが、容量をオーバーするとその月は月末まで通信速度が300kbpsに制限されてしまう。これが「制限後の通信速度」だ。ただ、通信速度300kbpsとはいっても、一般的なモバイル利用なら問題ない。
容量についてはもう1点制限があり、一定期間のデータ量が「転送量制限」で定められた値をオーバーすると、たとえ月の通信容量内であっても通信速度が低く制限されてしまう。たとえば「エントリープラスプラン」を例にすると、3日間以内にやり取りしたデータ量が400MBを超えると、それまでのデータ量の合計が1GBを超えていなくても通信速度が一定期間低くなるのだ。低下した通信速度は決められた期間が過ぎれば高速状態に戻るが、有料の「容量追加オプション」によって新たな制限のもと高速回線を利用することもできる。
以上の説明を踏まえた上で各プランを見てみると、それぞれの利用スタイルをイメージできるだろう。どれが自分に合っているのか分からないという人には、1GBの大容量を月額900円で利用できる「エントリープラスプラン」がオススメだ。利用期間の“縛り”がないため、短期間で解約しても違約金は必要ない点もポイント(月額制のため、最低でも1カ月分は支払う必要がある)。これから格安SIMを始めようという人には手軽で使いやすい最適なプランなのだ。
つながりやすさや通信速度は
ドコモのXi(クロッシィ)回線と同じ!
ここで「どうして格安SIMサービスは通信料が安いのか」と疑問に思う人もはず。ひょっとすると「安い代わりに、実際には満足に使えないのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれない。だがそんな心配は一切ご無用。「楽天ブロードバンドLTE」はドコモのLTE(Xi)回線をレンタルして使っている「MVNOサービス」で、つながりやすさや速度などの通信品質はドコモと同等なのだ(「MVNO」自体はサービスを提供する企業、ここではフュージョン・コミュニケーションズを指す)。
現在ドコモはLTEエリアを順次拡大中で、112.5Mbps対応エリアもどんどん増えてきている。基地局を展開するドコモは設備投資を行なうことでLTE回線のエリア拡大や高速化を実現しているが、回線をレンタルしているMVNOは通信インフラの設備投資にお金をかける必要がない。そのぶん通信料が安く抑えられているのだ。これからドコモのXi回線がパワーアップしていくたびに、「楽天ブロードバンドLTE」の通信品質も向上すると考えるといいだろう。
注意点としては、格安SIMサービスでは、通信事業者(キャリア)による独自メールサービス「キャリアメール」を利用できず、音声通話についても制限されている場合が多いことだ。通信事業者(キャリア)との契約を解約すると、これまで使っていた電話番号やキャリアメールを使えなくなる。
しかしこの点も、対処方法がいくつかあるので安心してほしい。たとえば音声通話は、フュージョン・コミュニケーションズが提供する、月額基本料0円のIP電話サービス「IP-Phone SMART」を利用するといい。
キャリアメールは、通常のGmailやSMS付きプラン(「エントリープラスSMSプラン」や「ライトプラスSMSプラン」)で代用するという手がある。フュージョン・コミュニケーションズとほかのMVNOの違いとして、リーズナブルで便利なサービスを取り揃えていることも覚えておこう。
従来の電話番号やメールアドレスをどうしても使いたいという場合でも、後述する「2台持ち」で月々の通信費を安く抑えることが可能だ。