旅行や出張時に便利な小型のWi-Fiルーター。最近では、モバイルバッテリーを搭載したり、メディアリーダーを備えたものまで登場している。
地方在住で東京への出張が多い筆者の場合、荷物を少しでも減らしたいがために、バッテリーやメディアリーダーを持っていかず、出先で後悔してしまったという苦い経験がある。
Wi-Fiルーターと一体型になっていれば、荷物の選定時に悩むこともない。というわけで、今回はスマホやタブにも対応した多機能なWi-Fiルーターに焦点を当ててみたいと思う。
120g以下でUSBポート付き
今回の選定基準は、やはり軽さ。多機能の機種となると、端子などパーツの点数が増えるため軽量化や小型化は難しい。この手の製品は、つねにカバンに忍ばせておきたいので、手持ちのスマホと同程度か、それ以下の製品をセレクトした。
対応するWi-Fi規格については、いずれの機種も2.4GHzの無線規格で、IEEE 802.11n/g/bとなる。5GHz帯には対応していない。Bluetoothマウスを利用している場合は、11b/g/nの電波と同じ周波数帯となってしまうため、筆者の環境では大量のデータのやり取り時にポインターの動きが悪くなることも。通信エラーが出ることはなかったので致命的ではないが、テスト中、どの製品も気になることがあった。
ちなみに、筆者はアップル「MacBook Pro 13 Retina 2013 Late」とロジクール「T630」の組み合わせで利用している。今回のテストもこの環境で行った。
メディアリーダー内蔵Wi-Fiルーターは2種類に大別できる
現在発売されている多機能タイプのWi-Fiルーターは、大きく2種類に大別できる。ひとつは、メディアリーダーのみを備えている製品。もうひとつは、バッテリーを備えた製品だ。
まず、メディアリーダー付きの製品は、標準サイズのSDカードリーダーのみ搭載。さらにUSBメモリを差せる端子が用意されている。また、USB端子のみでSDカードリーダー用のスロットを持たないものもある。SDカードを使いたい場合には、別途、市販のUSBメディアリーダーをつなげる。
どの製品も給電用のUSB端子は別途用意されているので、電源供給を受けながら、USBストレージを接続することが可能だ。
データのやり取り時には対応できるファイルシステムが気になるところだが、3製品ともにFAT、exFATに加えてNTFSも利用可能だった。文字化けなども起きることなく、日本語のファイル名が混在しているメディアも正しく表示できていた。ただし、今回テストした以外の製品では、日本語対応ではない可能性があるので、購入前には十分にチェックしておこう。いずれの製品も専用のスマホアプリが用意されている。
バッテリーを備えた製品は、ストレージを接続するUSB端子から電力を供給し、スマホやタブレットの充電が可能になる。1Aの大容量出力ができる製品もあるが、高速充電モードには対応しない。iPhoneやNexus 5といった、高速充電用のポートが不要なスマホであれば、問題なく利用可能だ。
また、スマホの充電用途だけでなく、Wi-Fiルーター本体の駆動用バッテリーとして使うことも可能。そのため、屋外など電源利用が難しい環境でメディアリーダーを使えるという利点もある。それでは、各製品の詳細を見ていこう。