1994年に産声を上げたカシオのデジカメ「QV-10」が来年で満20歳の誕生日を迎える。10年ほど昔には、いつになったらアナログカメラの表現力を超えることができるか? なんて話題がよく取り上げられたものだ。しかしこの20年、デジカメは驚異的な進歩を遂げ、そんな話題もとんと聞かれなくなった。
圧倒的なデジタルカメラの進化と市場の寡占化は、逆に光学的なアナログカメラのよさを見直す機会を創出しはじめている。オールドレンズやクラシックカメラの人気復活がその1つの現われなのかもしれない。
そしてデジカメが生まれた頃に誕生した若い世代にも、インスタントカメラやトイカメラ、針穴写真機の愛好家が出現し、新しい世代のアナログカメラや組み立て式アナログカメラが人気だ。
そんな価値が多様化する時代に、今までは考えられなかったデジタルカメラのキットが米国で発売され、日本にも代理店経由で輸入されるようになってきた。
組み立て式の発電機付デジカメ「Bigshot」
カメラの名前は「Bigshot」。元々はコンピュータサイエンスが専門の大学教授が子供たちの教育ツールとして作ったモノがオリジナルのようだ。そのプロトモデルをシェイプアップし、コストリダクションして2013年にでき上がったのがこの製品。
Bigshotは、1台で標準、広角(パノラマ)、ステレオ(3D)の撮影を実現する、手回し発電機付きのデジタルカメラの組み立てキットだ。パッケージ表面に記載されているように、このキットは8歳の子供から108歳のお年寄りまで、対象年齢は幅広い。
早速、キットを開けてみると、組み立てに必要なパーツが、おおよそ組み立て順、目的別に整然とパックされている。添付の組み立てマニュアルも、組み立ての順を追って詳細に記述されており、教育用玩具としてスタートしたということがよく分かる。必要ならウェブ上のより詳細な組み立てマニュアルを見て組み上げてゆくことも可能だ。
最初の組み立てはBigshotの大きな特徴でもある発電機部分からだ。カメラフレームの内側でいくつかのギアを組み上げ、モーターを組み込み固定し、外側に手回し用のクランクを取り付ければおおむね終了だ。
次はデジタルカメラの心臓部である論理回路基板(PCBモジュール)だが、この部分はイメージセンサー(300万画素)はじめ、液晶ディスプレー、メモリー(121MB・写真120枚分)、各種コントローラー、miniUSBポートなど、すべてが出荷状態で組み上げられており、単一のユニットに仕上がっている。
ユーザーは、そのユニットをカメラ本体に組み込み3つのネジで固定するだけだ。そして、PCBモジュールのケーブルにモーターとバッテリーの両ケーブルを結線し、透明の背面カバーをねじ止めすればアッという間に完成だ。
組み立て作業の最後の工程は、標準、広角やステレオ専用レンズを回転させるダイヤルである「Lens Wheel」のカメラフレームへの組み込みだ。
目的のレンズを固定し、撮影を行なうために2つのスプリングロックを組み込み、カメラ本体に取り付け、中央にLEDフラッシュを固定する。
これでBigshotの組立作業のすべてが終了した。不器用な筆者でも作業開始してから1時間くらいだった。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
この連載の記事
-
第787回
トピックス
G-SHOCKのベストセラー5600シリーズの【改】キットを衝動買い -
第786回
トピックス
ほぼカセットテープサイズ「Bluetoothスピーカー」を衝動買い -
第785回
トピックス
唯我独尊デザインパワー「マンガG-SHOCK」を発売日に衝動買い -
第784回
トピックス
ありそうでなかった“目盛り”で時間経過「ビジュアルバータイマー」を衝動買い -
第783回
トピックス
ニキシー管風「Smart Weather Clock」(天気予報管)を衝動買い -
第782回
スマホ
6万9800円で「nubia Flip 5G」折りたたみスマホを衝動買い -
第781回
トピックス
真ん丸の外観に惹かれ円盤型「UFOマウス」を衝動買いしたが…… -
第780回
トピックス
好みの時間を設定可能、乾電池式「ポモドーロタイマー」を衝動買い -
第779回
トピックス
レノボとAmazonベーシックのお勧め「ラップトップスタンド」を衝動買い -
第778回
トピックス
折ってちぎって6人で使える「Paper Pens」を衝動買い -
第777回
トピックス
ゲオでレトロ感満載「FM付き レトロスピーカー」を衝動買い - この連載の一覧へ