7月から8月にかけて、USBとSerial ATAの両方が最新の規格を発表した。まず7月31日にUSBの標準化をつかさどるUSB-IFがUSB 3.1を、そして8月8日にはSerial ATAの標準化団体のSATA-IOがSATA Revision 3.2をリリースしている。
そこで、USB 3.1とSATA3.2について説明していきたい。まず今回はUSB 3.1である。
USB 3.1で転送速度がさらに向上
御存知の通りUSB 3.0はまずまずの立ち上がりを見せており、当初の価格のプレミアもほとんどなくなって来た。ただUSB 3.0の仕様策定は2008年で今から5年ほど前になる。
さすがにそろそろ後継規格の必要性がある、というのは実際にUSBフラッシュメモリーなどでは既存のUSB 3.0の帯域を使い切っているケースがあるからで、またインターフェースとしてもそろそろ次の規格が必要という声はあった。
こうした動きを受け、今年1月にUSB-IF(USB Implementers Forum)の中で、さらにUSB 3.0の開発を推進するUSB 3.0プロモーターグループは、次世代の規格は10Gbpsの転送速度になることをアナウンスしており、登場は時間の問題だったといえる。
そのUSB 3.1であるが、まだ発表されたばかりとあって、色々不明確な点が多いが、既存のUSB 3.0との違いを説明していきたい。まずロゴである。下にある左の画像がUSB 3.0のロゴマークであるが、USB 3.1のロゴマークと思しきものはその右になる。
もっともこのロゴにある“SUPERSPEED+”という名称が一般的になるかどうかはハッキリしない。というのは、USB 3.1の仕様書を読むと、“SuperSpeedPlus”という名称が正式なUSB 3.1モードにおける動作を示す状態だからである。ただマーケティング的には“SUPERSPEED+”の方がわかりやすそうである。
ちなみに仕様書においては、他にEnhanced SuperSpeedなる言葉も出てきている。まとめると以下になるようだ。
USB3.1における動作モード | |
---|---|
SuperSpeed | USB 3.0での動作 |
SuperSpeedPlus | USB 3.1で追加された動作 |
Enhanced SuperSpeed | USB 3.0もしくはUSB 3.1での動作 |
そのSuperSpeed+であるが、最大の違いは転送速度の倍増である。ところが、これに関しては元々の説明がまず間違っているうえ、倍以上に速度が増えているというややこしい話になっている。そこでUSB 3.0からまず話を始めたい。
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