どんな企業であっても、常にヒット商品を生み出せるとは限らない。中には失敗作が生まれてしまったりもする。それらの商品は、そこで働く人にとっては消したい記憶かもしれない。しかし、そんな己のつらい過去と向き合い、再び世間に挑戦するという意気込みの商品を発表するのが、アイス製品で知られる赤城乳業だ。
赤城乳業の最大のヒット作といえば、なんといっても「ガリガリ君」だろう。パッケージのいがぐり頭のキャラクターでも知られるソーダ味のアイスで、1981年の販売開始以来、看板商品として高い知名度を得ており、種類も豊富。たとえば昨年販売された「コーンポタージュ味」など、度肝を抜かれた人も多いはず。
そんなガリガリ君の真ん中部分、シャリシャリ食感のかき氷部分だけをブロー容器に閉じ込めた、「シャリシャリ君 ソーダ」が全国のコンビニエンスストアで7月9日から数量限定で販売される。スティックタイプのガリガリ君とは違った食感が楽しめるという。
実はこのシャリシャリ君、登場するのは今回が初めてではない。2005年の2ヵ月間、2006年夏の2シーズンに、「シャリシャリ君 ソーダバニラ」が発売されている。しかし、同社としては自信作だったのにも関わらず不発に終わってしまい、近年では「華麗なる失敗作」として各メディアで紹介されるなど、ある種のネタ商品となってしまったのだ。
さすがに赤城乳業もそのことを忘れていなかったらしく、リリースには「華麗なる失敗」という見出しを付けたり、「2012年、経営陣を説得し関東・東北のコンビニエンスストアでテスト販売を実施」などと記したりしていることから、やはり過去のトラウマがあったことは否めなかったようだ。しかし、テスト販売自体は好評だったために、今回の全国発売が決定したという。
ともかく、今回のシャリシャリ君の挑戦はうまくいくのだろうか。その答えは、今月9日、皆さんの舌で確かめてみてほしい。