失われたスピード感を取り戻すための非公開化
米デルは、創業者でもあるマイケル・デルCEOと、投資ファンドのSilver Lakeが、公開済み株式を取得し、非公開化することを発表した。
デルの経営幹部が保有している株式を除くすべての発行済株式を1株当たり13.65ドルの現金で買収。買収総額は244億ドル(2兆2500億円)を見込んでいる。さらに、マイクロソフトも20億ドルを出資し、2013年7月までに公開株式取得を完了する予定だ。
デルCEOは、現在14%の株式を所有。非公開後は、過半数の株式を保有し、引き続き会長兼CEOとして、同社の陣頭指揮を執ることになる。
これまで日本法人からは、この動きに対しての言及はなかったが、3月6日の事業方針説明会のなかで、デルの郡信一郎社長が言及。「非公開化により、我々が正しいと思う方向に進むことができる。それは顧客にとってもプラスになる」と語った。
郡社長は、「いまの時点で、すぐに日本法人に対する影響があるわけではない」としながらも、「非公開化によって、四半期ごとの業績という短期的な視点だけでなく、1~2年後の結果を見据えるといった中長期的な視点での取り組みに注力できるようになる」と語る。
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