パナソニックから発売されたBlu-ray Discレコーダーの最新モデル「DMR-BXT3000」(実売価格13万円前後)は、地デジ放送とBS/CSデジタル放送(最大3ch)から任意に選んだ6chの放送をすべて録り貯める全録レコーダーだ。
いちいち録画予約をする手間を省ける、放送後になって話題になった番組でも後追いで視聴できるなど、一般的なBDレコにはできない自由度の高いテレビ録画/視聴ができるモデルだ。
なんと言っても、録画対象にBS/CSデジタル放送を選べるというのがうれしい。待ってました! と喜んでいる人も多いと思われる。すでに東芝の「REGZAサーバー」こと「DBR-M190」を1年ほど使用している筆者も興味津々だ。そこで、その実力をあらゆる方面から確かめて、前編・後編の2部構成でお伝えする。
もちろん、筆者が所有するDBR-M190との違いや優位点などについても随時紹介していく。
DBR-M190(HDD容量5TB)は、現在でこそ実売でおよそ12万円前後となっているが、発売直後は20万円を超える高級機で魅力は感じても手を出せる人は少なかった。HDD容量を2.5TBとした下位モデルの「DBR-M180」も、発売当初は15~18万円ほどだったが、現在は8万円ほどで売られている。
実売価格がずいぶんこなれてきており、地デジ×6chで問題なければこちらも十分に魅力的。パナソニックか東芝かを迷っている人にとって気になる違いもしっかりフォローしていくので参考にしてほしい。
そもそも「全録」ってどういうこと?
まず、全録レコーダーが何なのか、ご存じない方もいると思うので簡単に説明しておこう。全録レコーダーとは、基本的に複数の放送局の番組を同時に常時録画し続ける機能を搭載したレコーダーのこと。
この機能のことをDMR-BXT3000(パナソニック)では「チャンネル録画」、DBR-M190(東芝)では「タイムシフトマシン」と呼んでいる。
全録は基本的に内蔵HDDの専用領域に対して行なわれ、その領域がいっぱいになったら古い番組からどんどん自動削除されていく。全録された番組の中で残したい番組があった場合は、内蔵HDD内の別の領域(通常録画領域)またはBDメディアなどにダビングする。
全録機能では録画する放送局、その数、録画画質を設定することが可能で、それによって全録専用領域に何日分の番組を録り貯められるかが決まってくる。高画質で残す場合は録り貯められる日数が少なくなり、保存する日数を増やす場合は画質を下げたり録画チャンネル数を減らす、といった対応が必要だ。
なお、DMR-BXT3000、DBR-M190ともに全録とは別に番組を録画予約することが可能で、これを「通常録画」と呼ぶ。全録設定から外れている放送局の番組についても、通常録画することで保存が可能だ。
DMR-BXT3000とDBR-M190の主なスペック | ||
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機種名 | DMR-BXT3000 | DBR-M190 |
メーカー | パナソニック | 東芝 |
全録用HDD容量 | 1.75TB | 4TB |
通常録画用HDD容量 | 0.25TB | 1TB |
通常録画用チューナー数 | 3波デジタル×1 | 3波デジタル×2 |
無線LAN | 対応 | 対応 |
消費電力 | 約53W | 約85W |
待機時消費電力 | クイックスタート「切」:約0.1W クイックスタート「入」(省エネ):約14W クイックスタート「入」(標準):約15W |
省エネ待機時:約0.4W 通常待機時:約3.2W 瞬速起動待機時:約65W |
本体サイズ | 幅430×奥行313×高さ79mm | 幅430×奥行323×高さ80mm |
重量 | 約5kg | 約8.3kg |