9月11日から13日まで開催された開発者向け国際会議「Intel Developer Forum San Francisco 2012」にて、インテルは次期プロセッサーである「Haswell」(ハズウェル)の詳細を発表した。今回は最新ロードマップ兼CPU進化論の最新版として、Haswellの詳細をわかる範囲で説明したい。
Sandy Bridgeをベースに
アウトオブオーダー部に手を入れたHaswell
Haswellは現行の「Ivy Bridge」にも増して、低消費電力にフォーカスした製品であり、しかも性能の改善はもっぱらGPU側となっている。またHaswellの世代では、SoC(System On Chip)に向けた対応も大きな目玉であるが、CPUコアにもずいぶん手が入ったものになっている。
Haswell世代の大きな特徴は以下の6点にある。
- 8命令同時発行。これにあわせて内部のバッファを大幅に強化
- 分岐予測を強化
- AVX2命令を搭載
- トランザクション命令拡張を実装
- セキュリティー機能を拡張
- 仮想化状態における性能を改善
「Yonah」世代(Core Duo)で6ポートに拡張されたDispatch部は、その後「Merom」から「Nehalem」を経て「Sandy Bridge」と3世代に渡って利用されていた。これがついにHaswellで、8ポートに増強された。
新しく追加された2ポートは、「Port 6」が整数演算(Integer ALU)と分岐処理(Branch)に、「Port 7」がStore Addressに割り振られている。この結果、Haswell世代ではついに、同時8命令の処理が可能になった。またStore Addressもひとつ増えたことにより、メモリー書き込み性能も増強された。
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