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山あり谷あり!NTTPCの「WebARENA」が歩んできた15年 第1回

東京スカイツリーやブックオフもWebARENAを採用!

企業のWebサイトを支え続けてきたNTTPC「WebARENA」の魅力

2012年03月02日 13時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ホスティングサービスの老舗であるNTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)の「WebARENA」は2012年でサービス開始から15年を迎える。クラウドという新しいコンピューティング環境を見据え、進化を続けるWebARENAの概要とユーザー事例を紹介していく。

企業のWeb導入を長きに渡り支援しているWebARENA

 今から15年前、Webサイトを立ち上げるのはとてつもなく敷居が高かった。サーバーを購入し、OSやWebサーバーをインストールし、HTMLや画像コンテンツを登録。その後、インターネットに接続し、サイトを公開するという手順は今も基本的には変わらない。しかし、ブロードバンド環境が当たり前となった現在では信じられないほどインターネット回線は細かった。また、機材やソフトウェアも高価で、構築を任せられる技術を持った人材も少なく、運用のノウハウもなかった。こうした事情があったため、大企業が多額のコストをかけ、システムインテグレーターに委託するしかなかった。多くの企業にとってWebサイトの構築は高嶺の花だったのだ。

 しかし、1990年代のインターネットの爆発的な普及にあわせ、こうしたWebサイト構築に必要なインフラや構築をサービスとして提供するホスティングサービスが生まれた。ホスティングサービスでは、サーバーやネットワークを複数ユーザーで共用することで、利用料金を低価格化。Webサイト導入の最大のネックであったコストの問題を解消した。また、運用管理もプロに任せることが可能になり、ユーザーは本来のサイト構築に注力できるようになった。まさにホスティングサービスのおかげで、多くの企業が自社のサイトを手軽に構築できるようになったわけだ。

 1990年代後半、米国で生まれたホスティングサービスも遅からず日本に上陸してきた。そして、通信事業者や新興のホスティング事業者が切磋琢磨してこのホスティングの市場を切り開いてきた。こうしたホスティングの老舗サービスとして、1997年にスタートしたNTTPCの「WebARENA」がある。

 NTTPCは当時からISP事業により他の多くのISPと積極的に相互接続し、トラフィックの交換を行なっていた。1997年、InfoSphereバックボーンのコアセグメントに隣接させたインターネットデータセンターを開設。このインフラを元に、大きなコンサートホールに匹敵する情報発信環境を提供するサービスとして、WebARENAはスタートした。大容量のネットワークを介して、遠隔のデータセンターにあるコンピューターリソースを月額課金で利用するというリソース提供型のサービスを指向していたわけだ。

インターネットとWebARENAの歴史

 事業者向けの専用サーバーサービスとしてスタートしたWebARENAだが、1999年に安価な共用サーバーサービス、2005年にVPS(Virtual Private Server:仮想専用サーバー)サービスを投入。1990年代後半のドットコムブーム、2000年以降のブロードバンド&常時接続の普及、2005年以降のセキュリティ攻撃の増加と仮想化技術の台頭、そして2010年以降のクラウドコンピューティングブームなど、時代のニーズを確実に取り込んできた。もちろん、すべてが順風満帆だったわけではない。競合との激しい価格競争あり、インターネット上での激しい攻撃に晒されたことあり、トラブルや障害、ノウハウ不足に悩まされたこともあった。しかし、15年に渡って、さまざまなユーザーのビジネスや情報発信を支えてきたのはまぎれもない事実だ。

ハイスペック&高信頼なWebARENA SuitePRO V3

 現在、WebARENAはディスク容量や仕様の異なる複数のホスティングサービスが用意されている。500MB~/月額換算125円(税込)~という個人でも利用しやすい「名づけてネットのレンタルサーバー」や30GB~/月額換算1980円(税込)~の共有サーバー「WebARENA SuiteX」のほか、月額2万9400円(税込)~の専用サーバー「WebARENA Solo」、そして50GB~/月額8820円(税込)~のVPSサービス「WebARENA SuitePRO V3」などが提供されている。また、データセンターのラックを提供するいわゆるハウジングサービスの「WebARENA Symphony」やサーバーやネットワークをまとめて提供するプライベートクラウドサービス「WebARENA Symphony仮想環境構築サービス」もあわせて用意されている。

WebARENA Solo(専用サーバー)、SuitePRO(VPS)、SuiteX(共用サーバー)のサービスの違い

 このうち特に人気が高いのが、VPSサービスのWebARENA SuitePRO V3である。仮想専用サーバーという名前の通り、VPSは仮想化技術により、ユーザーごとに独立したサーバー環境を利用できる。Linuxのroot権限が提供されるため、ディスク領域を自由に利用でき、独自アプリケーションのインストールも自由に行なえる。一方で、ハードウェアを他のユーザーと共有するため、物理サーバーをまるまる一台利用できる専用サーバーに比べて低価格。つまり、専用サーバーの自由度と共用サーバーのコストパフォーマンスというメリットを併せ持つわけだ。

 WebARENA SuitePRO V3では、月額8820円(税込)でディスク50GB(最大1TB)という仮想サーバーを利用できる。OSはCentOS5/6/Scientific Linux 6から選択可能で、ネットワークは1Gbpsの共有となる。おそらく価格だけで見れば、これより安価なVPSサービスは見つかるだろうが、WebARENA SuitePRO V3は標準メモリ容量も2GBで、シマンテックの迷惑メールフィルターやデータベース(MySQL/PostgreSQL)も標準搭載しており、いろいろな意味でスペックがリッチだ。また、ディスク容量だけではなく、CPUやメモリの拡張がオンデマンドで行なえるという点は、まさにクラウドコンピューティングの特徴を先取りしたモノといえる。

WebARENA SuitePRO V3の特徴

 そして最大の特徴は、サーバーを安定した環境で利用できるという点。たとえば、仮想サーバーが障害を起こした場合は、別のホストに自動的にフェイルオーバーされる。また、ストレージやネットワークなども冗長化され、Single Point of Failure(SPOF)を排除するシステム構成となっている。さらに3世代分のバックアップイメージを別HDDに保存するオプション(有料)も用意されている。こうしたシステムの安定運用に必要な機能は、安価なサービスではカバーされていないことも多いが、大手通信事業者NTTのグループ会社ということで、注力している部分といえるだろう。

ユーザー事例で見る「WebARENAがなぜ選ばれたか?」

 こうしたWebARENAのユーザー事例として、東武タワースカイツリーが運営する東京スカイツリーの公式Webサイト(http://www.tokyo-skytree.jp/)が挙げられる。いよいよ2012年5月にオープンする東京スカイツリーだが、公式サイトでは正式名称が決まる以前から建設プロジェクトを追う形でコンテンツを拡充してきた。現在では、最新情報はもちろん、スカイツリーを支える技術解説や公式キャラクター「ソラカラちゃん」のページ、オリジナル商品の販売まで実にさまざまなコンテンツがサイトに用意されている。

東京スカイツリー公式サイト

 この東京スカイツリーのサイトを支えているのが、WebARENAである。WebARENA選定の理由は、運営の担当者が以前からWebARENAを採用しており、その高い実績や多彩な機能などを実感していたからだという。開発で使用する言語の関係もあり、WebARENAを採用。スモールスタートの小規模構成から導入したという。当初は、PVもそれほど高くなかったが、建築中の東京スカイツリーの高さが東京タワーを抜いたくらいから、公式Webサイトへのアクセスが急増。これに対しては、トラフィックをクラウドに逃がすことも検討したが、NTTPCはすぐさまロードバランサーを用いた冗長構成を提案。標準搭載の監視サービスが充実していたこともあり、結果としてWebARENAのサービスのみで、十分な拡張を行なえたという。

 もう1つのユーザー事例として、中古本販売チェーン「BOOKOFF」を運営するブックオフコーポレーションが挙げられる。国内で1000店舗以上のチェーンを展開する同社だが、近年はブックオフオンライン(http://www.bookoffonline.co.jp/)を中心としたインターネット事業にも注力している。こうしたブックオフのさまざまなWebサイトを総合的にホストしているのがWebARENAだ。

ブックオフコーポレーションサイト

 ブックオフコーポレーションがWebARENAを採用した理由も、運営担当者が以前からWebARENAを利用しており、その使い勝手や実績を高く評価したからにほかならない。また、技術者やサーバーを社内に抱えるよりも、費用対効果が高く、困ったときにすぐに相談に乗ってくれるという対応の良さがWebARENA導入のメリットであった。現在ではコーポレートサイトをはじめ、用途にあわせてWebARENAの各種サービスを使い分けているという。

 東京スカイツリー公式サイト、ブックオフコーポレーションの事例で共通しているのは、「使って良かったから」「高い実績があるから」という実にシンプルな選定理由だ。しかし、使いやすさも実績も短い期間では醸成できない。顧客と時代のニーズに応え、とにかく続けてきたことが、WebARENAの高い評価につながっているのは間違いない。

 さて、次回はWebARENAの企画・運営に携わったメンバーに集まってもらい、山あり谷ありの15年を振り返る。サービス立ち上げの背景や運営における苦労話など、たっぷり語ってもらおう。

NTTPC「サーバーお乗り換えキャンペーン」を展開中!

 WebARENA15周年を記念し、NTTPCではWebARENAのVPS SuitePRO V3や共用サーバーSuiteXの初期費用や月額利用料が無料になる「サーバーお乗り換えキャンペーン」を以下の要項でスタートさせた。

対象商品

VPS:WebARENA SuitePRO V3タイプ

共用サーバー:WebARENA SuiteX

※オプションの利用料金はキャンペーンの適用外になります。

期間

2012年2月14日(火)~2012年5月14日(月)

※オンラインでのお申し込みは2012年5月14日(月)17:00まで 書面によるお申し込みは2012年5月14日(月)の消印有効

対象ユーザー

キャンペーン期間中に、対象商品を新たにお申し込みで、契約時のアンケートにお答えのお客さま。

※ 契約時のアンケートにお答えのない場合、キャンペーン対象外となり通常料金でのご利用となります。

キャンペーン特典

VPS:WebARENA SuitePRO V3タイプ
初期料金無料
共用サーバー:WebARENA SuiteX
初期料金+月の利用料が最大3ヵ月分無料 ※
※ 年一括払いでお申し込みの場合は、年額利用料の3ヵ月相当が無料となります。 ※ 1ヵ月目は加入日より日割り計算となります。

キャンペーン適用条件等

・キャンペーン適用期間終了後は通常料金となります。
・オプションの利用料金はキャンペーンの適用外になります。
・お申込み内容に誤りがあった場合には、キャンペーン特典が適用されない場合があります。
・本キャンペーン内容は予告なく変更及び終了する場合がございます。
・最低利用期間は1年となります。途中で解約された場合、残存期間分の料金は請求対象となります。

 締め切りは2012年5月14日(月)までとなっているので、共用ホスティングやVPSを検討しているユーザーはぜひ検討してもらいたい。


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