「トイ・ストーリー3」などでおなじみのピクサー・アニメーション・スタジオ(Pixar Animation Studios)が、スティーブ・ジョブズ氏追悼メッセージを同社ウェブサイトに掲載した。
メッセージでは、ジョブズ氏が類いまれなビジョナリーであるとともに、ピクサーにとって愛すべき友人や“光”だったとし、ピクサーおよびCGアニメの可能性に着目した点を指摘している。
ジョブズ氏は、ルーカスフィルムのコンピュータグラフィックス部門を買収、1986年に独立企業としてピクサー・アニメーション・スタジオを設立した。当初ピクサーは、ジョブズ氏の意向により、画像処理専用マシン「PIC」(Pixar Image Computer)の開発/販売を主軸としていたが、ビジネスとしては低調で撤退。レンダリングソフト「RenderMan」(レンダーマン)の開発/販売や、アニメ制作を行なうスタジオとして再スタートし、長編アニメ映画「トイ・ストーリー」(1995年)を皮切りに、「モンスターズ・インク」(2001年)、「ファイティング・ニモ」(2003年)、「カーズ」シリーズなどのヒット作を生んだ。
RenderManについては、ディズニーのCGアニメにおける活用、映画「ターミネーター2」(1991年)、「ジュラシック・パーク」(1993年)で注目を浴びた。近年でも「マトリックス リローデッド」(2003年)、「アバター」(2009年)、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」(2010年)、「アイアンマン2」(2010年)のCG部分作成に利用されるなど、映画制作における重要なソフトのひとつとなっている。
2006年のディズニーによるピクサー買収後、ジョブズ氏はディズニーの筆頭株主となり、取締役のひとりとして迎えられた。
なお、ジョブズ氏は、NeXTを1985年に設立したもののハードウェア事業の撤退など苦境を味わったが、1996年にアップルに買収される形で復活し、快進撃を遂げている。UNIX系OS「NEXTSTEP」は「Mac OS X」として取り込まれ、iPhone/iPad用OS「iOS」を派生させた。
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