ITの秋は「Cloud Computing World&Next Generation Data Center」でスタート!
これがメディアの底力!IDGイベントの見所を編集長に聞く
2011年08月09日 06時00分更新
8月31日、9月1日に東京国際フォーラムで開催されるITイベントが「Cloud Computing World Tokyo 2011」と「Next Generation Data Center 2011」だ。同社最大の1万人規模というイベントの見所をIDGインタラクティブの吉田聡氏に聞いてみた。
テーマに込められたポジティブなメッセージ
Cloud Computing WorldとNext Generation Data Centerは、複数のイベントを擁するIDGジャパンが今年開催するイベントとしては最大級のもの。Cloud Computing Worldがエンドユーザー向け、Next Generation Data Centerがサービスプロバイダ向けということで、2つのイベントはもともと別々に開催されていたが、震災の影響で今回は同じ東京国際フォーラムで展開される。東京駅からほど近いという足のよさに加え、「セミナーも、イベントも地下の特設会場でやりますので、ワンストップで済みます」(吉田氏)という点も売りの1つ。
Cloud Computing Worldは、クラウドの活用が大きなテーマだ。「1年前はクラウドってなに?という話が中心でした。しかし、企業が成長するためにはクラウド活用が必須ですし、震災で価値が大きく見直されています。今回のCloud Computing Worldでは、こうしたクラウドを使い込んでいくには、どうしたよいかが大きなテーマです」(吉田氏)という。
一方、Next Generation Data Centerを「日本発:次世代データセンターの行方を追う」ということで、日本がアジアの情報拠点を目指すためになにが必要かをテーマに掲げている。「計画停電も乗り切ったし、日本のデータセンターも壊れなかった。やっぱり日本はすごいじゃないかと鼓舞してくれるような基調講演を日本データセンター協会 理事の江崎 浩先生がやってくれます」(吉田氏)とのこと。共通テーマを「苦難の先にある新しい世界で飛躍する」としていることからも分かるとおり、全体のメッセージは非常に前向きで、ポジティブだ。
公開ディスカッションなどメディアならではの価値を追求
さて、「Computerworld」や「CIO Magazine」などのIT関連媒体を有する同社だけに、「メディアが主催する」という価値を追求しているという。たとえば、Cloud Computing Worldの初日の基調講演「徹底追求!ビジネスとクラウド、そしてイノベーション」では、東京大学の妹尾堅一郎教授が、オイシックス、クレディセゾン、ボンパレ、楽天の事業責任者とディスカッションするという形を取る。「収益性やビジネスのスピードを高めていくために、どんなインフラが最適なのかをネットビジネスで成功している方に聞くというものです。あえてクラウドのユーザーじゃない方々にも登壇してもらっています」(吉田氏)ということで、クラウド万歳にならない現実的な講演になりそう。
また、CIO Magazine主催のユーザー事例セッションも、単にユーザーやベンダーが成功談を語るような体裁ではなく、ディスカッション形式で編集部が突っ込みを入れる形をとる。大和証券の元CIOである大和総研の鈴木孝一氏と、パナソニック電工インフォメーションシステムズ、新日鉄ソリューションズの役員がクラウドコンピューティングの戦略や貢献について語るという。
Next Generation Data Centerでも、NTT環境エネルギー研究所やインターネットイニシアティブ(IIJ)、NTTファシリティーズ、日本フルハーフなどの専門家が集まった「コンテナ型データセンターの核心に迫る」というパネルディスカッションが用意されている。
もう1つ大きいのが、外資系ならではの豪華な講演陣だ。「インテルの副社長がユーザー主導のクラウドを訴えたり、元イー・ベイのセキュリティ戦略担当者がクラウドセキュリティを語ったり、かなり興味深い内容です。あと、Next Generation Data Centerの基調講演では、Hadoopの生みの親であるダグ・カッティング氏も講演してくれます。これは見逃せないと思います」とのこと。
このようにイベントは、ベンダー主導のセールスイベントとは大きく趣が異なっている。製品やサービス選びというより、IT活用や戦略を練るにあたってのヒントを与えてくれそうだ。Webの事前登録で入場料が無料になるので、さっそく登録しておこう。