東京都はこのほど、インターネット通販で販売されている収納家具を対象に、「ホルムアルデヒド等の有害物質の放散状況について実態」を調査し、その結果を発表した。
調査によると、インターネット通販で販売されていた家具30個を室内に設置し、1日後に、ホルムアルデヒドの室内濃度を測定したところ、室内濃度指針値(0.08ppm)を上回る商品が、30個中6個(20%)あった。なかでも1個は、指針値の4倍以上の濃度だった
ホルムアルデヒドは、粘膜に対して刺激性があり、目がチカチカする、涙や鼻水が出る、等の原因となる化学物質。現在、ホルムアルデヒドを含む建築材料は建築基準法に基づく規制によって使用する面積が制限されているが、タンスなどの家具には規定がない。
都は消費者へのアドバイスとして、1.通信販売で家具を購入する際は、家具のにおいが強く不快に感じた場合にどのような条件で返品できるか確認すること、2.気温の高い日に部屋を換気し、家具の扉や引き出しを開けておくことである程度濃度は減少する、 3.タンスに収納する際にポリ袋に入れ密閉すると移染を防げる、などをあげている
都内の消費生活相談窓口には、この10年間で「目がチカチカする」など収納家具(食器棚・本棚・タンス)のにおいに関する相談が149件寄せられているという。