3月4日、日本アバイアはビジネスアプリケーションにリアルタイムコミュニケーションをを追加するためのソフトウェア「Avaya ACE(Agile Communication Environment)」を発表した。
遅延しがちなビジネスプロセスをより迅速に
発表会においてAvaya ACEの説明に登壇したアバイアの能地將博氏は、今回のAvaya ACE登場の背景として、ビジネスプロセスの課題を挙げた。ITにより、ビジネスプロセスの標準化・自動化を行なっても、最終的に人間の意思決定・判断が必要なフェーズが存在する。しかし、その人間の意思決定・判断がボトルネックになり、プロセスのフローが遅延することも多い。
その点、Avaya ACEを使えば、音声やIM、プレゼンスなどのリアルタイムコミュニケーションを制御できるという。このCEBP(Communication Enabele Business Process)ソリューションの導入により、意思決定が迅速化し、ビジネスの機敏性向上、結果として機会損失の減少につながるという。「メール未読件数100件という人はざらにいますが、電話がかかってきたらとりあえずとる人は多い」(能地氏)ということで、条件によってツールを制御し、判断を催促したり、入力を促すことが可能だ。能地氏は航空会社に紛失の荷物を問い合わせる顧客への対応を、Avaya ACEによるIM制御で迅速化するというビデオを見せつつ、導入効果をアピールした。
パッケージソフトや開発ツールで構成
Avaya ACEは、パッケージソフトの「Event Response Manager」やUC向けプラグイン、開発ツールの「ACE Toolkit」「Foundation Toolkit」、そして開発支援コミュニティやプロフェッショナルサービスなどから構成されている。
Event Response Managerはある一定の条件をトリガに、通知やカンファレンス招集などを行なうパッケージ。スキル、役割、ロケーションなどを元にチームをセットアップし、アプリケーションから手動・自動でチームに対する通知やカンファレンスを実行できる。また、UCパッケージはMicrosoft Office Communicator、Lotus Sametime、Webブラウザ、Office、デスクトップ用のプラグインなどが用意されている。
Avaya ACE Toolkitはノーテル時代の製品で、SIPやCTIのプロトコルを簡略化したWebサービス用のAPIを提供する。複数にまたがるSIPのシーケンス(手順)をまとめ、シンプルなAPIとして提供することで、既存のアプリケーションから容易に電話やIMなどのコミュニケーションツールを容易に制御できる。また、Java APIであるAvaya ACE Foundation Toolkitも用意される。こちらはAvaya Aura向けで、テレフォニーアプリケーションと他のアプリケーションを並列処理させるシークエンスドアプリケーションを作成可能にするという。
同社はAvaya ACEにより、従来のCTIアプリケーションに比べて約2割という短い期間で連携機能を開発できるという。