Nexus Oneとは異なり
ウェブ直販だけでなく、店頭でも販売する
Googleが12月6日、自社ブランドスマートフォンの第2弾「Nexus S」を発表した。12月16日にアメリカで発売となり、年末商戦になんとか間に合った形だ。初代に比べると「無難な」方向性に切り替わった戦略のようにみえるが、果たして成功するのだろうか?
初代のGoogleフォンは、おなじみの「Nexus One」だ。今でこそ1日30万台の携帯電話がアクティベートされているというAndroidだが、その前途がまだ見えなかった頃からの盟友であるHTCが製造した。そのNexus Oneは1月5日に発表。注目は集めたが結局失敗に終わった。
スペックはさておき、Nexus Oneの最大の特徴は売り方だった。SIMロックが当たり前のアメリカで、「コンシューマーが新しい方法でAndroid携帯電話を購入できるようにする」とうたってGoogleが導入したのがウェブ直販である。
Googleはここで消費者がキャリアを選択できるように、購入時にSIMロックフリー、もしくはキャリアの契約付きから選べるようにした。当初T-Mobileのみでスタートしたこのウェブ直販は、結局予定していたVerizon Wireless向けは提供されなかった。そして、Googleは5月中旬にウェブでの販売を終了した。
そして今回のNexus Sである。何が違うのか。
まずはメーカーがSamsungに変わった。当然、端末も異なる。次に、画期的だったビジネスモデルが変更(ある意味、丸くなった?)。今回は小売店で展開する。アメリカではBestBuy、イギリスではCarphoneWarehouseと提携が決まっており、それぞれ12月16日と同20日から各店舗に登場することになる。なお、値段はSIMロックフリー版は529ドル(Nexus Oneも同じく529ドルだった)、T-Mobileの2年契約付きの場合は199ドル(Nexus Oneは179ドル)だ。
端末側では、Samsungが手がけたこともあり、Nexus Sは同社のフラッグシップ端末「GALAXY S」に似ている。最も大きな違いは、OSがAndroid 2.3(Gingerbread)と最新版のAndroidを搭載したことだろう。実際、Nexus SはAndroid 2.3を搭載した初の機種となるが、目玉はやはりNFC(Near Field Communication)だと思う。
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