先日、友人からクラッシュしたHDDからのデータ回収を依頼され、四苦八苦しながらも膨大なビデオや写真の8割程度を回収するということがあった。しかし、セクターの物理破壊には勝てず、残念だが一部のデータは永久に失われてしまった。今回紹介するClickfree製品も、メーカーであるカナダStorage Appliance社が創られた理由は、創業者の母がHDDトラブルで大量の写真データを失ってしまったこと……がきっかけだとのこと。誰にでも簡単に扱えるバックアップソリューションが目的という、この製品を評価してみた。
自動バックアップ機能を持つポータブルHDD
Clickfreeシリーズには、USB接続したパソコンからデータを吸い上げる「C2バックアップポータブル」(500GB)と「C2バックアップデスクトップ」(1TB)、C2シリーズにネットワークバックアップ機能を追加した「C2Nバックアップポータブル」(500GB)と「C2Nバックアップデスクトップ」(1TB)、さらに無線LAN接続機能を内蔵する「ワイヤレスポータブル」(500GB)の計5モデルがラインナップされている。いずれも一般的なUSB HDDとして使えるが、あくまでも本領はバックアップを簡単に行なう専用HDDという点にある。
今回取り上げるのは、C2Nバックアップポータブル(以下C2N)とワイヤレスポータブルの2製品だ。まずは両者のハードウェアから見ていこう。光沢のある黒のプラスチックボディーをまとうC2Nは、2.5インチHDDを内蔵したポータブルHDDでよく見かける外見だ。付属する専用USBクレードルに立てて使えるほか、本体背面に収納できる短めのUSBケーブルを使って、パソコンと接続できる。
C2Nは基本的に、USBバスパワーで駆動する。本体側ケーブルはやや短いが、クレードルドッキング用のミニUSBポートを利用すれば、市販のUSBケーブル(USB~ミニUSBコネクター)を使うこともできる。本体の重さは約166g、保護すべきバックアップメディアを持ち運ぶのはお勧めしないが、カバンなどにも楽に入る。
一方のワイヤレスポータブルは、平置き設置型HDDとなっている。大きさは3.5インチ型HDDを短くした感じで、上部が透明な化粧板で覆われており高級感がある。
本体に無線LANの子機機能を内蔵しており、家庭内の無線LANに接続し、付属のACアダプターで動かすのが通常の運用モードとなる。C2Nと同様に、短めのUSBケーブルが側面に収納されており、USBバスパワーでの駆動も可能だ。しかし、USB接続時はACアダプター接続時とは運用モードが変わり、無線LANはオフになってC2Nと同じポータブルタイプのバックアップHDDとして機能する。
USB 2.0で接続すると、パソコンからはシステムファイルなどを格納したROM領域(CD-ROMドライブ互換)と、リムーバブルメディア領域の2ドライブ構成に見える。内蔵HDDの容量は両製品とも500GB。そのうちバックアップ用領域として、465GB程度が利用できる。内部HDDの交換などは不可能なため、ハードウェア周りで記すべきことはほかにない。それぞれの使い勝手を見ていこう。
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