ウォッチガード・テクノロジーズ(以下、ウォッチガード)のパートナーカンファレンスに参加した担当は、シアトルにある本社にも案内してもらった。世界中に赤い箱を供給する同社のオフィスは、まさに西海岸らしいおおらかさにあふれていた。
スタバ、MS、ウォッチガード?
カナダにほど近いシアトルは、世界を席巻するコーヒーショップであるスターバックスの発祥地、イチローの所属するマリナーズの本拠地、Nirvana、Pearl Jamなどのオルタナティブロックバンドを輩出した街として知られているが、同時に多くのIT企業が起業した都市でもある。シアトルから世界に飛び立ったIT企業としては、近郊のレッドモンドに本拠地を持つマイクロソフトのほか、ドットコムの風雲児であるアマゾン・ドットコム、そしてロードバランサーの始祖であるF5ネットワークスなどが挙げられる。そしてUTMベンダーとして名を馳せるウォッチガードも、このシアトルに本社を構える。
ウォッチガードのオフィスは、シアトルのダウンタウン南東に位置するキングストリート駅の近くのビジネスビルにある。なんでもマイクロソフト創業者でもあるポール・アレン氏の所有で、アレン氏の保有する投資会社がウォッチガードの上のフロアには入っているとか。アマゾンドットコムも隣のビルに入っており、歩いて行ける距離にシアトルマリナーズのホームスタジアムであるセーフコフィールドがある。以下、写真を中心にオフィスの様子を見ていこう。
ウォッチガードの成り立ちは、実はシアトルを本拠地とするボーイングが深く絡んでいる。もともと創業者の2人はボーイング社内でセキュリティ確保のためにファイアウォールを開発していたメンバーで、ボーイングは2人が開発した技術を自社で使うのみならず、自由に外販することを認めたという。さらにボーイングはオフィスや開発リソースまで提供し、ウォッチガードの主力製品であるSMB向けのファイアウォールアプライアンス「Firebox」が産まれることになる。その後、高価なソフトウェア型ファイアウォールのリプレースとして市場を席巻するようになるのは、ご存じのとおりだ。
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