日本アイ・ビー・エム(以下IBM)が、パブリッククラウドの分野で国内本格始動だ。同社は、企業向けパブリック・クラウドの新サービス「IBM LotusLive」ファミリーに、ファイル共有などのコラボレーションツール「LotusLive Connections」と、Web会議システム「LotusLive Meetings」、「LotusLive Events」、これらを統合したメニュー「LotusLive Engage」の3つを追加した。
- LotusLive Connections
- ファイル共有アプリケーション。ファイルには、URLさえ知っていれば誰でもアクセス可能なものから、閲覧のみ、アクセス権を第三者に譲渡可能……などの細かいアクセス権の付与が可能。また、ファイルへのアクセス履歴も記録される。価格は1投稿ユーザーあたり年間1万6800円で、投稿のみのユーザー(25MB)は無償。
- LotusLive Meetings
- 電子会議システム。ホストする会議室の大きさによって、2種類の価格が用意されている。最大14ユーザーで年間6万7000円、最大24ユーザーで10万3000円。
- LotusLive Events
- Meetingsの拡大版。会議というよりは講演用で、1開催者あたり最大999ユーザーが入れて13万5600円。
- LotusLive Engage
- Connections、Meetings、Eventsの3サービスすべてを提供するメニュー。最大14ユーザーが年間7万9000円、最大24ユーザーが年間12万1900円、最大999ユーザーが年間15万9600円。
従来は電子メールの「LotusLive iNotes」1サービスのみだったが、これで合計5サービスが提供されることとなった。
価格については、Engageを契約しても1人あたり月額500円程度となる計算だ。
モジュール間連携とビジネス特化型の使いやすさ
今回の発表で、メールとファイル共有、Web会議という機能が使えるようになったLotusLiveだが、IBMがアピールするのがモジュール間連携と、ビジネス特化型としての使いやすさだ。
「モジュール間連携」については、SalseForceやLinkdin、Skypeとの連携インターフェイスを提供している。たとえば、Web会議をする場合には、SalseForceの画面の中にユーザーリストが出現し、参加者を選んだ後に、LotusLive Meetingに移動して会議を始める……ということが可能だ。
クライアントに関しても、Notesに限らず既存のクライアントソフトとの連携も可能なようにするが、Notesのユーザー企業であれば、プラグインを導入してNotesの画面からワンクリックでLotusLive Meetingに参加するといったことも可能となる。
次に、「ビジネス特化型の使いやすさ」という点では、社内外のメンバーで企業間コラボレーションができる点が挙げられる。ビジネス現場では、1つのプロジェクトに複数社が参加し、プロジェクトチームが作られることがあるが、社外のユーザーを招待してグループに加えて管理し、その場合も細かいアクセス管理を施すことが可能になっている。
LotusLiveにログインすると分かるが、ポータルである「マイ・ダッシュボード」よりも上位の階層に、会社名が記述されている。つまり、LotusLiveのユーザー管理は、最初から会社組織のヒエラルキーを反映しており、さらにその上で、社外とのコラボレーションを考えたアクセス管理やグループ作成ができるというスタンスなのだ。
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