業界別に中小自営企業のニュースを掲載する『日経四紙』に注目!
前回、新聞に売り込むなら「全国紙の”催し情報”覧」と「地方紙」がねらい目だとお伝えしました。一般企業は新聞に掲載してもらうために、どんな新聞をどのように研究しているのでしょうか。
生活ツールのひとつとして日々触れている新聞も、じつはその種類は多岐多様です。
新聞を流通形態で分けると、全国紙(『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』『産経新聞』『日本経済新聞』5紙)と地方紙に分類され、ジャンルでは、一般紙と専門紙に分かれます。
周知のように、経済ニュースのトップを走るのはなんといっても日本経済新聞です。大企業の広報部の人たちは日々、日経新聞の研究に努め、日経新聞に掲載されることを意識してニュースリリースを作っています。自社の新商品情報が掲載されると、その企業は多大な有形無形の利益を得ることができるからです。
近頃流行の?!不祥事ニュース対策も(大企業は不祥事に際して発表する謝罪文のニュースリリース制作にも余念がありません)、広報マンは日経新聞を意識して動いています。
日経新聞のウェブサイト「NIKKEI NET」にプレスリリースを送る方法は以下を参照してください。
http://release.nikkei.co.jp/qa.cfm
しかしながら、どこの企業もそうそう、日経新聞に記事が載ることはありません。では広報マンたちの日経新聞に次ぐターゲットは何でしょうか。いわゆる『日経四紙』のうち日経新聞をのぞいた『日経産業新聞』、『日経流通新聞(MJ)』、『日経金融新聞』がそれです。
みなさんはこれらの新聞をご覧になったことがありますか。いかにも業界!と言うネーミングからして敷居が高いように感じますが、日本と世界の金融情勢などマクロ情報を掲載する日経新聞に較べて、あとの三紙は中小企業から自営業者のショップまで、細かいニュースをたくさん掲載する役割を担っており、小さな会社やショップからの人気度も高いのです。各紙の公式サイトにアップされている「ヘッドライン」を読むだけでも勉強になるでしょう。
関連企業の広報マンはこれら日経三紙にプレスリリースを送ることはもちろんですが、さらに、記事の見出しや切り口などから、記者の視点を勉強するなどの研究を怠りません。これらの新聞は駅の売店で買えるので、皆さんも参考にしてください。ただ、これら産業紙の記事内容には専門用語が多出するので、みなさんがつくるプレスリリースの文章そのものの参考にはなりませんのでご注意を。
新商品の開発ニュースなら経済部記者宛に送る
プレスリリースを新聞社に送る場合、どの部署のどなた宛に送ればいいのかとても迷うところです。
大手新聞社だと、送る部署を間違うと即効でゴミ箱行きになりかねません。知人の日経新聞社の記者に聞くと、
「”○○新聞社御中”と書かれているニュースは、総務部などにまわって担当と思われる部署に回してくれます。たてまえは。でも、記者の心理としては、”御中”で届いたニュースに興味が湧くことはまずないんですよ。”PRマンなら新聞の部署ぐらい調べて送るものだ”と判断されるし、そういう勉強不足な発信元からのニュースは信用できないので」と厳しい意見です。
新聞社への送り先部署は、送りたいニュースの内容によって、新商品の開発や起業ニュースなら経済部記者、受験情報や保育は家庭面記者、高齢者が社会性の高い新規事業をはじめたというニュースなら社会部記者宛となります。
どうしても送り先部署がわからない場合は、「新製品ご担当部 編集部記者デスク様 ○○製品新発表のご案内」などと、宛名面にひと目でニュース内容がわかるキーワードを書き添えます。「記者」「デスク」「編集」ということばを入れておくのがポイントです。デスクとは記者の上司にあたる人をいうので、デスクの目にとまれば、担当記者に回してくれる確率が高いからです。
同じ新聞社内でも、その部署によって記者たちの興味はまったく違ってきます。1面から社会面まで、経済、社会、国際、科学、生活、メディアなど多岐に渡る情報を扱っているわけですから、あなたのショップの情報が確実にそのジャンルの担当者に届いてくれることが掲載に直結する道となります。
いずれも日ごろから、これは!と思う新聞をよく読み、どの面にどんなニュースが載っているのかを注目していれば、自社ニュースの送り先部署も見えてくるでしょう。
次回は、記者クラブに「投げ込み」する方法を解説します。
著者プロフィール
名前 | 朝日奈 ゆか | info_email_01[アットマーク]yumble.com |
---|---|---|
※著者に直接問い合わせをする際は、お名前、会社名、サイトURLなどを明記してください。 | ||
会社 | 株式会社ユンブル | |
サイト | http://www.yumble.com/ |