ユーリード、Blu-rayとHD DVDに対応したオーサリングソフト『DVD MovieWriter 5』を発表――従来より5000円低価格で
2006年03月23日 21時56分更新
『DVD MovieWriter 5』 |
ユーリードシステムズ(株)は23日、HDVビデオの取り込み、およびBlu-rayとHD DVDのオーサリング/記録に対応したビデオ編集ソフト『DVD MovieWriter 5』を4月28日に発売すると発表した。価格はパッケージ版が1万290円、ダウンロード版が7900円。乗り換え/アップグレード版は6279円。
ソニー(株)の『HDR-HC3』など、ハイビジョン対応カムコーダーで撮影したHDVムービーを素材として取り込み、メニュー画面の作成といったオーサリング作業を実行した上でBlu-ray/HD DVDメディアにビデオを記録できるようになったのが特徴。デジタルカメラで撮影した写真を素材に使って、ハイビジョンのスライドショーを作成することも可能だ。
オーサリング開始時に現われるディスクの選択画面。“ビデオディスクを作成”の欄に“Blu-ray”と“HD DVD”が追加されている | メディアへの記録前に表示される設定画面。現状ではイメージファイルに書き出せる |
HDVカメラから直接ビデオをBlu-rayディスクに記録するダイレクトレコーディング機能も備える。ただし、発売当初はBlu-rayやHD-DVDのディスクに記録する機能は備えておらず、後日、記録型ディスクへの書き込み規格が策定された後に、同社のウェブページで無償提供される予定のアップデートプログラムを適用することで利用可能になる。
HDVカメラからムービーをBlu-rayディスクに記録するデモ | 後日配布予定のアップデーターでMPEG-4ムービーの取り込みにも対応する予定 |
対応ディスクはBD-RE(1層)のみ。ディスクイメージ作成時のフォーマットは以下のとおり。
- Blu-rayオーサリング
- ●ビデオ部分 ファイル形式:MPEG-2 HD 解像度:1920×1080ドット フレームレート:29.97fps ビットレート:10~29.3Mbps ●オーディオ部分 ファイル形式:LPCM、Dolby Digital サンプル周波数:48kHz ビットレート:128kbps(LPCM)、128~448kbps(Dolby Digital)
- HD DVDオーサリング
- ●ビデオ部分 ファイル形式:MPEG-2 HD 解像度:1920×1080ドット、1440×1080ドット フレームレート:29.97fps ビットレート:10~29.3Mbps ●オーディオ部分 ファイル形式:LPCM、Dolby Digital、MPEGオーディオレイヤー2 サンプル周波数:48kHz ビットレート:128kbps(LPCM)、128~448kbps(Dolby Digital)、64~384kbps(MPEGオーディオ)
動作環境は、CPUがPentium 4-1.6GHz以上かAthlon 2400+以上、メモリーは512MB(1GB以上推奨)以上、HDDは900MB。HDVのキャプチャーやBlu-ray/HD DVDのイメージ作成には、Pentium D-3GHz以上か、Athlon 64 X2 Dual Core以上のCPUが推奨される。対応OSは、Windows 2000/XP。
CM自動カット機能やメニューテンプレートを大幅強化
都内で開催されたプレス向け発表会では、まずユーリードシステムズの代表取締役社長であるピーター・リン(林志中)氏が挨拶を行なった。
代表取締役社長、ピーター・リン氏 | リン氏はDVD MovieWriterの歴史についても解説した |
リン氏は、昨年4月に米インタービデオ(InterVideo)社が台湾ユーリードシステムズ社に対し、株式の公開買い付け申し込み(TOB)を成立させたことについて「ふたつの企業が一緒になるのはそんなに簡単なことではないが、悪い方向を向いているわけではない」と、TOBから約1年ほど経過した現状を語った。
続けてユーリードシステムズのプロダクトマネジメント部・部長の今澤裕之氏によってDVD MovieWriter 5の詳細が説明された。
プロダクトマネジメント部・部長、今澤裕之氏 |
今澤氏によれば、Blu-ray/HD DVDのイメージ作成にかかる時間は「システム環境によっても異なるが、30分のHDVムービーファイルで約25分~30分。そのうち20分ぐらいがメニューのオーサリングにかかる時間」とのこと。そのほか、バージョン5で追加された主な新機能は以下のとおり。
編集機能の強化
マルチトリム機能を強化し、編集しているシーンの前後が分かるフィルムロールのようなプレビューを追加した | 従来製品で備えていたCM自動カット機能の検出精度を向上させ、日本の番組では90%の確率(同社調べ)で本編とCMを分割できるようになった。今澤氏によれば検出速度も「30分の映像で2分ちょっと」に向上したという |
メニュー作成機能の強化
メニューテンプレートに新たに“スマートシーンメニュー”を追加。ビデオ再生時に、メニュー画面上で各タイトルを選択状態にすると、ビデオ内容がメニューのプレビューウィンドウ内に現われる | シャボン玉が舞う、スポットライトが動くといったモーションをメニュー画面の背景上に重ねる“モーションフィルタ”効果を追加。さらにメニューから画面が切り替わる際にトランジションを設定できるようになった |
2006年は次世代光ディスクのマーケットが立ち上がる年
取締役、大川原明人氏 |
閉会の挨拶には、ユーリードシステムズの取締役、大川原明人氏が登場し、「いよいよ2006年は次世代光ディスクのマーケットが立ち上がる年である」と次世代メディアに対する期待を語った。
大川原氏は、「従来版は価格が1万4800円だったが、最新版では9800円に設定した。これは機能を削ったということではなくて、積極的にマーケットを大きくすることに挑戦したいため」と値下げの理由を解説する。
さらに大川原氏はビデオオーサリングの市場を育てるために、“VIDEOSTUDIO”というポータルサイトを立ち上げるプランがあることを明かした。ユーリード製品のユーザーやビデオ編集に興味がある初心者などを対象に、他社製品も含めてビデオ編集/オーサリング関連の情報を提供していくという。