WebSAM Ver.6の要点について説明する、日本電気 ミドルウェア事業部長の池田治巳氏 |
日本電気(株)(NEC)は11日、次世代の統合運用管理基盤“WebSAM(ウェブサム)フレームワーク”を確立し、これに基づいた統合運用管理ミドルウェア“WebSAM Ver.6”シリーズのソフトウェア7種を発表、同日発売した。企業内のIT資産や業務運用の管理を統合されたデータベースにより一元管理することで、“経営視点でのシステム運用管理”を実現するとしている。
WebSAM Ver.6のソフトウェアの価格(税別)と出荷時期
- WebSAM MCOperations
- 業務運用管理/230万円から/2006年3月
- WebSAM System Navigator
- 中堅中小向け業務運用管理/86万2800円から/2006年3月
- WebSAM SystemManager
- サーバー管理/138万円から/2006年3月
- WebSAM NetvisorPro
- ネットワーク管理/70万円から/2006年2月
- WebSAM iStorageManager
- ストレージ管理/30万円から/2006年3月
- WebSAM JobCenter
- ジョブ管理/20万円から/2006年2月
- WebSAM AssetSuite
- IT資産管理/10万円から/2006年3月
各管理ソフトの動作OSは、WindowsとHP-UX。LinuxとSolarisについても、今後順次対応の予定とのこと。
WebSAM Ver.6について同社ミドルウェア事業部長の池田治巳氏は、迅速な経営判断やIT投資の最適化などの“経営視点でのITシステム運用”を実現するために、「WebSAMの基盤の再構築を含めた機能強化を行なった」と述べ、WebSAMシリーズ全体を大きく改変したことを示した。
WebSAMフレームワークを核とする、WebSAM Ver.6の全体像 |
WebSAM Ver.6では、多種多様な管理ソフトの中核となる基盤としてWebSAMフレームワークを定義。各製品で共通の機能と、ITシステムの運用情報を一元管理するデータベース“WebSAM CMDB(Configuration Management Data Base)”を整備して、その上で各製品群が管理機能を提供する構造となった。運用管理に必要な情報をWebSAM CMDBで一元管理することで、ITシステム全体の状況把握をしやすくなり、かつ変更管理を正確で効率的に行なえるとしている。また各管理ソフトで共通する機能をフレームワーク側に集約することで、導入作業の削減やリソースを有効利用することでの管理作業の負荷軽減も実現するとしている。ユーザーインターフェースも統合化され、各ソフトを駆使した状況把握と管理を行ないやすくしている。
WebSAM CMDBを中核に、各管理ソフトが共通の基盤上で管理サービスを提供する。ITシステムに関するあらゆる管理情報は、WebSAM CMDB上に集約されるという |
WebSAMフレームワークは、他社製の管理ソリューションとの連携も考慮されており、既存の他社製管理ソリューションとWebSAM Ver.6の管理ソフトを組み合わせた運用が可能となる。対応する他社製管理ソリューションには、日本ヒューレット・パッカード(株)の“OpenView”やマイクロソフト(株)の“Microsoft Operation Manager(MOM)”などが挙げられているほか、日本アイ・ビー・エム(株)の“Tivoli”などにも2006年度での対応を予定している。
WebSAMフレームワークを介して、他社製の管理ソリューションからの情報も、WebSAM CMDBで一元管理できる |
さらにWebSAM Ver.6では大規模なITシステムを運用する大企業だけでなく、中堅中小企業への導入も考慮している。システム運用管理に必須とされる管理ソフト(System Navigator、AssetSuite、JobCenter)を導入しやすい価格で提供し、ハードウェアの性能・障害管理や資産管理、ジョブ・スケジュール管理などを実現するとしている。