キヤノン(株)とキヤノン販売(株)は27日、最高解像度9600dpiとインク滴最小1plを実現し(1機種除く)、“写真力”と“スタイル”を進化させたという2005年冬のプリンター新製品“PIXUS(ピクサス)”シリーズ7機種を10月上旬に発売すると発表した。内訳は、複合機4機種、メモリーカードスロットと液晶ディスプレーを持つダイレクト機1機種、USB端子を持つカメラダイレクト対応機2機種。
2005年冬のフラッグシップモデル『PIXUS MP950』 |
今年のプリンター新製品は、同社が昨年の冬モデルで注力したピザボックスタイプのスタイリッシュなフォルム、コンパクトでスマートなシルエットを継承しながら、スキャナー/コピー機能などを持つ複合機に主軸を移している。また、微細なインク滴を正確にメディア(用紙)に吐出する“FINEテクノロジー”を改良し、インク滴を1pl、印刷解像度を最高9600dpiに引き上げることで、粒状感を一層低減して“写真画質”の更なる向上を図ったという。ただし、機種数は昨年の合計12機種から7機種に絞られ、レッド/グリーンなどの特色インクを使うモデル(iP8600の後継機種)や無線LAN内蔵モデル(iP4100Rの後継機種)、スキャン/コピー原稿のADF(自動給紙機構)付き複合機(MP790の後継機種)は未登場になった。各製品の特徴と編集部による予想実売価格は以下のとおり。
複合機(スキャナー/コピー/プリンター/メモリーカードスロット)
『PIXUS MP800』 | 『PIXUS MP500』 | 『PIXUS MP170』 |
- MP950
- MP900の後継機種で、複合機のみならずPIXUSシリーズ全体のフラッグシップモデル
- 新FINEテクノロジー採用/開閉機構付き3.6インチTFT液晶ディスプレー搭載/最小インク滴1pl 7色染料&顔料インク/最高印刷解像度9600×2400dpi/3200dpi デュアルCCDスキャナー(※1)内蔵/L判フチなし印刷で約39秒(同社測定値)を実現
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)/Bluetooth Ver.1.2(オプション)
- 本体サイズ/重量:幅468×奥行き415×高さ263mm/約12.8kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.4以降
- 5万円程度
- MP800
- MP770の上位機種
- 新FINEテクノロジー採用/チルト機構付き3.5インチ液晶ディスプレー搭載/最小インク滴1pl 5色染料&顔料インク/最高印刷解像度9600×2400dpi/2400dpi デュアルCCDスキャナー内蔵/L判フチなし印刷 約32秒
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)/Bluetooth Ver.1.2(オプション)
- 本体サイズ/重量:幅470×奥行き490×高さ240mm/約12.0kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.4以降
- 4万円程度
- MP500
- MP770の後継機種で、省スペース&高機能を追求した新コンセプト複合機
- 新FINEテクノロジー採用/チルト機構付き2.5インチ液晶ディスプレー搭載/最小インク滴1pl 5色染料&顔料インク/最高印刷解像度9600×2400dpi/1200dpi CISスキャナー内蔵/L判フチなし印刷 約42秒
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)/Bluetooth Ver.1.2(オプション)
- 本体サイズ/重量:幅448×奥行き426×高さ205mm/約9.6kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.4以降
- 3万円程度
- MP170
- 低価格普及型の複合機
- 液晶ディスプレーなし/最小インク滴2pl 4色染料&顔料インク/最高印刷解像度4800×2400dpi/1200dpi CISスキャナー内蔵/L判フチなし印刷 約45秒
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)
- 本体サイズ/重量:幅443×奥行き381×高さ181mm/約5.6kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.4以降
- 2万円程度
ダイレクトプリント機(プリンター/メモリーカードスロット)
『PIXUS iP6600D』 |
- iP6600D
- 液晶ディスプレー搭載のダイレクトプリント機
- 新FINEテクノロジー採用/チルト機構付き3.5インチ液晶ディスプレー搭載/最小インク滴1pl 6色染料&顔料インク/最高印刷解像度9600×2400dpi/L判フチなし印刷 約39秒
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)/Bluetooth Ver.1.2
- 本体サイズ/重量:幅429×奥行き304×高さ183mm/約7.2kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.4以降
- 3万2000円程度
単機能機(プリンター/カメラダイレクト対応)
『PIXUS iP7500』 | 『PIXUS iP4200』 |
- iP7500
- iP8100の後継に当たる単機能機の最上位モデル
- 新FINEテクノロジー採用/液晶ディスプレーなし/最小インク滴1pl 7色染料&顔料インク/最高印刷解像度9600×2400dpi/L判フチなし印刷 約39秒
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)
- 本体サイズ/重量:幅444×奥行き309×高さ160mm/約7.4kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.1以降
- 3万2000円程度
- iP4200
- iP4100の後継に当たる最廉価モデル
- 新FINEテクノロジー採用/液晶ディスプレーなし/最小インク滴1pl 5色染料&顔料インク/最高印刷解像度9600×2400dpi/L判フチなし印刷 約42秒
- インターフェース:USB 2.0(Hi-Speed)
- 本体サイズ/重量:幅419×奥行き299×高さ160mm/約6.5kg
- 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS X 10.2.1以降
- 2万円程度
新FINEテクノロジーでは、ヘッドの改良(ノズル径9μmなど)によって、5plの通常インク滴のほかに、微細な1plのインク滴(従来は2pl)をより正確に打ち出せるようになったという。特にMP950/iP6600D/iP7500では、CMYインクだけでなくフォトシアン(PC)/フォトマゼンタ(PM)も1plでの塗布が可能になっている。同時に黒(顔料系)では1.6倍、染料系カラーは2倍のノズル数に増加(ノズル長を伸長)することで、インク滴を縮小しても印刷速度は従来よりも高速になったという。
インク自身も黒(顔料系)を改良して、マーカーで上書きした場合の“こすれ”、隣接する薄い色(Yインクなど)への“にじみ”が低減した。さらにインクカートリッジも改良し、赤色LEDが点滅することで新たにインク残量の減少がパソコンなしでも分かるようになった。これは、“カードダイレクト”や“カメラダイレクト”など、パソコンなしに印刷するケースが増えていることに対応したもの、とのこと。
このほか、ダイレクトプリント対応機(MP950/800/500/iP 6600D)では、顔を明るく調整する(カメラダイレクト/カードダイレクト)、赤目を補正する/携帯電話の画像でJPEG特有のブロックノイズを低減する(カードダイレクト)など、パソコンでフォトレタッチせずに印刷するユーザー向けの画質改善機能も搭載している。
前述以外の主なスペックは、共通する機能として12cm/8cmのプリンタブルメディアへのレーベル印刷/コピー機能を搭載(MP170を除く)。給紙はASF(オートシートフィーダー、本体背面に立てる)と給紙カセット(本体前面下部からセットする)の2系統で、給紙可能枚数はA4普通紙の場合各150枚(MP170のみ各100枚)、はがきでは各40枚(同各20枚)。MP170以外の6機種では両面印刷も標準でサポートする。