PDA・モバイルソリューションフェア 2005の展示会場は、多くの来場者で混雑していた。携帯電話を軸としたモバイルソリューションへの注目の高さが感じられる |
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(以下MCPC)は2日、東京国際フォーラムにてPDAや携帯電話を活用した企業向けモバイルシステムの専門展示会“PDA・モバイルソリューションフェア 2005”(主催 MCPC、特別協賛 マイクロソフト(株)、インテル(株))を開催した。モバイルソリューションに関する各種セミナーと、機器やサービスの展示が行なわれたが、会場には多くの来場者が詰めかけて、モバイルソリューションへの注目の高さを示した。
受付近くに設けられたWiFi Zoneでは、来場者が自由に無線LANを使えるコーナーが用意されていた |
会場の来場者受付ブース周辺は、“WiFi Zone”と命名され、インテルによる無線LANについての小さなセミナーや、同社のプロセッサーを採用した携帯情報端末などが展示されていた。また(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は、先日発売され話題を呼んでいる無線LAN接続機能付きFOMA対応携帯電話機“ビジネスFOMA”『M1000』(製造はモトローラ(株))を体験できるブースを設置。ウェブブラウザーやメールクライアント、IEEE 802.11b対応などの機能について、実機を手に取りながら説明を受けていた。
展示会場全体の傾向としては、携帯電話関連機器や携帯電話を端末に使うビジネスソリューションが展示の主流となった感がある。特にM1000など、いわゆる“スマートフォン”と呼ばれる多機能携帯電話機には多くの来場者が興味を示し、具体的なビジネス案件につながるような熱心な質問を行なっている姿が、そこかしこに見受けられた。最新PDAやPDAを利用したソリューション自体も出展され、また同時開催のセミナーでは、マイクロソフトが8月に発表した携帯機器向け最新OS“Windows Mobile 5.0日本語版”についての講演が行なわれてはいたものの、流れは携帯電話によるソリューションにあるように見受けられた。またGPSを活用したソリューション提案も多かった。
GPSアンテナと地図情報入りSDメモリーカードを組み合わせたPDA『Mio 168 RS』(発売は(株)マイタックジャパン) |
マイクロソフトブースで展示されていた、米HP製のキーボード搭載PDA。Windows Mobile 5.0に対応するのだろうか | (株)日立製作所ブースにあった、キーボード搭載のWindows Mobile 2003 SE対応PDA『FLORA-ie MX1』。PDAに詳しい人ならお分かりのように、本体はシャープ(株)製のLinux搭載ビジネス向けザウルスのOEM |
一方で相次ぐ個人情報漏洩事件を受けて、モバイル機器での情報保護を行なうソリューションを出展する企業や、携帯電話機に感染するウイルスの登場を受けて、ウイルス対策ソフトベンダーのマカフィー(株)もブースを設けていた。ソリューションとしての実用段階に入ったがゆえに、モバイルソリューションにもパソコンや社内ネットワークと変わらないセキュリティー対策が求められているようだ。