三洋電機(株)は11日、現行のDVDとCDの記録/再生も行なえる次世代光ディスク“HD DVD”用の信号処理LSIを開発したと発表した。HD DVDのキーコンポーネントとして2006年春以降に量産出荷の予定で、同社では、コンシューマー向けのHD DVDプレーヤーやHD DVDレコーダーを順次製品化するとしている。
新開発のLSIは、HD DVDの記録再生LSIとDVD/CD記録再生LSI、CPUを統合しワンチップ化したLSI。新規開発のHD DVD専用デジタルリードチャネル回路と自動調整回路を採用するとともに、エラー訂正回路ブロックなどをDVD/CD系とHD DVD系で共用するアーキテクチャーを採用したことで低消費電力化を図ったのが特徴。0.18μmのCMOSプロセスで製造し、パッケージは216ピンLQFPを採用。電源はアナログ3.3V、デジタル3.3V(内部1.8V)。
記録再生機能は、HD DVDの記録再生、DVD-ROMの再生、DVD±R/RWの記録再生、DVD-RAMの再生、CD-ROMの再生、CD-R/RWの記録再生に対応し、著作権管理システムはDVDの全フォーマットをサポートしており、HD DVDで採用される“AACS(Advanced Access Content System)”にも対応する予定という。そのほか、ディスクの回転制御などを行なうサーボ回路にはデジタルサーボ方式を採用したという。
同社では、HD DVDプレーヤー/レコーダーだけでなく、デスクトップパソコンやノートパソコンの光ドライブにも搭載できるとしている。