MHT2040BH/Barracuda 7200.8(ST3400832AS)
MHT2040BH/Barracuda 7200.8(ST3400832AS)
2005年06月15日 14時43分更新
富士通/Seagate
Intelのモバイル向けチップセット(ICH6-M)がシリアルATAを標準サポートし、シリアルATAの2.5インチHDDを搭載したノートPCが登場してきた。これらに搭載されているHDDは、ほとんどが富士通の「MHT20xxBH」シリーズの製品だが、シリアルATAIIのネイティブコマンドキューイング(NCQ)に対応するなど、なかなか興味深い仕様を持っている。
画面1 Intel Application Accelerator 4.7ユーティリティの情報表示画面。NCQをサポートしていることが確認できる。 |
また、3.5インチHDDでは、133GBの高密度プラッタを搭載したSeagateのBarracuda 7200.8の流通が本格化してきた。3プラッタで400GBの大容量を実現しているのが最大の特徴。これまでも1台で400GBの容量を持つ製品(Deskstar 7K400)はあったが、これは1枚80GBのプラッタを5枚使ったイレギュラーな仕様。3.5インチHDDではプラッタは2~3枚が一般的であり、真の意味での400GB HDDはBarracuda 7200.8が初ということになる。
シリアルATAの利点の1つに、2.5インチも3.5インチも同じコネクタ、ケーブルで接続できるというものがある。ここではこれらの製品の性能をベンチマークテストで検証してみた。比較対象としては、80GBプラッタの3.5インチHDD、SeagateのBarracuda 7200.7(ST3160827)を使用した。どのHDDもシリアルATAIIのNCQに対応しているため、コントローラとしてはこれを有効にすることができるIntelのサウスブリッジ「ICH6R」を利用している。
ベンチマークテスト環境
- CPU
- Pentium 4 560J
- メモリ
- PC2-4300 DIMM 512MB
- マザーボード
- ASUS P5GD2 Premium(915P)
- グラフィックスカード
- ATI RADEON X700PRO
- OS
- Windows XP Professional SP2
- ソフトウェア
- Intel Application Accelerator 4.7
●WinBench99/DiskTransferRate
連続したデータの転送性能を見るテスト。ST3400832ASは、80GBプラッタのST3160827ASに比べて約18%高速。MHT2040BHの数値も2.5インチHDDとしては立派だ。 |
●HD Tach 3.0/Random Access Test
アクセスタイムを計測するテスト。133GBプラッタST3400832ASは、80GBプラッタのST3160827ASより遅くなっているが、AHCIモードでは多少良くなっている。 |
●PCMark04 1.3.0(HDD Test Suites)
NCQの効果か、どれもAHCIモードでの成績が良く、一般用途のシミュレーションであるGeneral HDD Useでは、ST3400832ASで15%、MHT2040BHで13%も高速になっている。 |
連続データをまとめて転送するシーケンシャルリードのテストでは、133GBプラッタのBarracuda 7200.8が現行トップクラスとさすがに高速。一方で、ランダムアクセスの速度は前モデルより遅くなってしまっている。そのためか実用レベルをシミュレーションするPCMark04のテストではあまり前モデルとは差がない。しかし、このテストではNCQの効果がかなり効いており、どのモデルでも10~15%の性能向上が見られる。この中に入ると2.5インチのMHT2040BHは見劣るが、シーケンシャルリードの性能、アクセスタイムともに2.5インチとしてはかなり優秀だ。これから2.5インチHDDでもシリアルATA化が進んでくれば、デスクトップPCでの2.5インチシリアルATA HDDの利用も選択肢に入ってくるだろう。