Dothanの性能と消費電力
DothanコアのPentium M 735。ダイの部分がほぼ正方形だったBaniasよりも横長になっている。 |
DothanコアのPentium Mの流通が本格的になっている。Dothanを機にPentium Mの取り扱いを開始する店舗もあり、Baniasコアのモデルよりも流通量自体が多い印象だ。最高クロック(原稿執筆の2004年6月末時点)の755(2.0GHz)、データシートには情報が記載されていない725(1.6GHz)や715(1.5GHz)といった低クロックモデルも販売が開始されている。
コア | L2キャッシュ | TDP | |
---|---|---|---|
Pentium M 755(2.0GHz) | Dothan | 2MB | 21W |
Pentium M 745(1.8GHz) | Dothan | 2MB | 21W |
Pentium M 735(1.7GHz) | Dothan | 2MB | 21W |
Pentium M 725(1.6GHz) | Dothan | 2MB | 21W |
Pentium M 715(1.5GHz) | Dothan | 2MB | 21W |
Pentium M-1.7GHz | Banias | 1MB | 24.5W |
Pentium M-1.6GHz | Banias | 1MB | 24.5W |
Pentium M-1.5GHz | Banias | 1MB | 24.5W |
Pentium M-1.4GHz | Banias | 1MB | 22W |
Celeron M 350(1.5GHz) | Banias-512K | 512KB | 24.5W |
Celeron M 320(1.3GHz)バルク | Banias-512K | 512KB | 24.5W |
Dothanを正しく認識するにはマザーボードの対応も必要だ。早くから動作確認がされていたPFU製「PD-41PM160M1」(新BIOSで正式に対応)に加え、ベアボーンで採用例のあるCOMMEL製「LV-671」にもDothan対応の新BIOSがリリースされるなど、動作環境も揃ってきている。
DothanコアとBaniasコアとの違いは、プロセスルールが0.13μmから90nmへと微細化するとともに、L2キャッシュを1MBから2MBへと倍増していること。TDPはBaniasの24.5Wに対して21Wと低くなっており、また、Intelによれば性能も同クロックどうしの比較で10%程度高速化しているという。
●実測消費電力
アイドル時 | 3Dゲーム(FF XI)時 | エンコード(WME9)時 | |
---|---|---|---|
Pentium M 735 (1.7GHz/Dothan) | 51W (46W※) | 78W | 63W |
Pentium M-1.6GHz (Banias) | 50W (47W※) | 83W | 65W |
Pentium 4-3GHz | 80W | 148W | 148W |
Athlon 64 3200+ | 103W | 146W | 124W |
Athlon 64 3200+ (Cool'n'Quietオン) | 80W | 146W | 124W |
●テスト環境
- マザーボード
- PFU PD-41PM160M1(Pentium M)
- Intel D875PBZ(Pentium 4)
- MSI K8T Neo-FISR(Athlon 64)
- メモリ
- PC3200 DIMM(256MB×2、Pentium MのみDDR333動作)
- ビデオカード
- GeForce FX5900XT
- HDD
- HGST Deskstar 7K250(80GB)
- 光ドライブ
- TOSHIBA SD-R5112
- OS
- Windows XP Professional日本語版(SP1)
今回はDothanコアのPentium M 735(1.7GHz)を入手したので前回と同じ環境でベンチマークテストを実施してみた。結果は別掲したとおりだが、DothanとBaniasのクロックは統一できていないものの、そのクロック差(6.25%)以上の性能向上は明らかで、Dothanのもつ高いポテンシャルは十分に伝わるだろう。消費電力も低下しており、TDPの数値を実証する結果となった。これだけの優れたCPUをノートPC用としておくのはあまりにもったいない話だ。対応製品のさらなる増加を望みたい。
●各種ベンチマークテストの結果
●PCMark04 CPU
Dothan 735はBaniasの1.6GHzから20%弱のスコアアップ。CPUのスコアはAthlon 64 3000+にほぼ匹敵する。 |
●FinalFantasy XI Official Benchmark2
3DではL2キャッシュの増量は有効。Dothan 735はBaniasの1.6GHzから7%以上のスコアアップ。Pentium 4-3GHzに迫ってきた。 |
●Photoshop 7(画像50枚バッチ変換)
Dothan 735は、Banias 1.6GHzと比較して25%もの短縮を実現。Pentium 4-3GHz、Athlon 64 3000+をも上回る驚異的な性能を見せた。 |
●Windows Media Encoder 9
Dothan 735は、Banias 1.6GHzから9%弱の短縮。ハイパースレッディングが効くため、Pentium 4との差は依然として大きい。 |
●テスト環境
- マザーボード
- PFU PD-41PM160M1(Pentium M)
- Intel D875PBZ(Pentium 4)
- MSI K8T Neo-FISR(Athlon 64)
- メモリ
- PC3200 DIMM(256MB×2、Pentium MのみDDR333動作)
- ビデオカード
- GeForce FX5900XT
- HDD
- HGST Deskstar 7K250(80GB)
- 光ドライブ
- TOSHIBA SD-R5112
- OS
- Windows XP Professional日本語版(SP1)