(株)セキュアソフトは16日、韓国セキュアソフト(SecureSoft)社が開発した、ファイアーウォール、IDS(不正侵入検知システム)、VPN機能をもつアプライアンスサーバー“SecureSoft T シリーズ”3機種を発表、加えて、セキュリティーコンサルテーションやサーバー監視を含むサービス事業を本格的に開始すると発表し、都内で記者発表会を開催した。
韓国セキュアソフトは1996年より、韓国初の国産ファイアーウォールソフト『SecureSoft Firewall』や、『SecureSoft IDS』などのソフトウェア製品およびセキュリティアプライアンスサーバー“SecureSoft T シリーズ”を開発、販売している企業。日本法人は2002年8月に設立され、ソフトウェア/ハードウェア製品を販売している。既存の“SecureSoft T シリーズ”は、日本の地方自治体や企業向けに130台程度の導入実績があるという。
Linuxベースのセキュリティーアプライアンスサーバー“SecureSoft T シリーズ”
発表したのは、SOHO向けのファイアーウォール/VPN機能をもつアプライアンスサーバー『SecureSoft T-30』、中小企業向けのファイアーウォール/VPN/IDS機能をもつアプライアンスサーバー『SecureSoft T-400』、データセンター向けのファイアーウォール/VPN/IDS機能をもつアプライアンスサーバー『SecureSoft T-1000』の3機種。いずれもOSにLinuxベースのもの(詳細は非公表)を採用している。
『SecureSoft T-30』 |
『SecureSoft T-400』 |
『SecureSoft T-1000』 |
3製品のおもな仕様と価格は以下のようになる。
- 『SecureSoft T-30』
- CPU……モトローラ MPC8245-266MHz
- ROM……8MB
- メモリー……32MB
- ファイアーウォールのスループット……40Mbps
- 価格……45万円(ファイアーウォール/VPNソフトウェアライセンス込み、ファイアーウォールユーザー数無制限)
- 『SecureSoft T-400』
- CPU……インテル Xeon-2.4GHz×1
- フラッシュメモリー……64MB
- メモリー……1GB
- ファイアーウォールのスループット……400Mbps
- 価格……398万円(ファイアーウォール/IDS/VPNソフトウェアライセンス込み、ファイアーウォールユーザー数無制限)
- 『SecureSoft T-1000』
- CPU……インテル Xeon-2.8GHz×2
- フラッシュメモリー……64MB
- メモリー……2GB
- ファイアーウォールのスループット……2Gbps
- 価格……1190万円(ファイアーウォール/IDS/VPNソフトウェアライセンス込み、ファイアーウォールユーザー数無制限)
コンサルティング、製品、サービスを組み合わせるのがビジネスモデル─韓国セキュアソフト代表取締役社長 金弘善氏
記者発表会では、日本市場におけるコンサルテーション、サーバー監視を含むサポートサービスの提供について発表された。
コンサルティングサービスは、セキュリティーポリシーの策定からソリューションの提案、セキュリティー教育サービスなどを提供するというもの。韓国では政府機関や金融機関、大手企業などを対象に同様のサービスを展開している。
サーバー監視サービスは、“SecureSoft T シリーズ”を対象に、ファイアーウォールソフトやIDSソフトの死活監視、異常時の対応などを含むネットワーク経由の監視サービスを提供するというもの。ファイアーウォールの監視サービスは月額2万円から、IDSの監視サービスは月額3万円からとなる。
セキュアソフト代表取締役社長の姜昇旭氏はまず、日本市場の特徴として、「ファイアーウォールの重要性は広く知られるようになったが、IDSについてはまだまだ知られていない」と指摘。「そういった状況ではまず、顧客の啓蒙が必要だし、何も知らないユーザーが自分で導入すべき機器を判断したり、導入後の機器の管理を行なうのは非常に難しく、コンサルテーションやサーバー監視などのサポートサービスが必要となるはずだ」と、サービス事業展開の背景について語った。
(株)セキュアソフト 代表取締役社長の姜昇旭氏 |
また、韓国セキュアソフト代表取締役社長の金弘善氏は、同社のビジネスモデルについて「韓国では、導入前のコンサルテーション、製品提供、導入後のサポートという一連の流れでビジネスを行なっている」と紹介した。その上で、「日本市場ではこれまで製品しか提供してこなかったが、今後日本でも本格的にコンサルテーションやサポートを含めたパッケージを顧客に提供する」と語った。
韓国セキュアソフト代表取締役社長の金弘善氏 |
なお、セキュアソフトは、6月3日から東京国際フォーラムで開催される“RSA Conference 2003”で“SecureSoft T シリーズ”を出展するほか、金弘善氏によるネットワークセキュリティーに関するセッションを行なう予定だ。