静岡大学電子工学研究所、ソニー(株)、ソニー・エルエスアイ・デザイン(株)は12日、薄暗い場所でもノイズを抑えた画像を撮影できるCMOSイメージセンサー用の“適応ゲイン・カラム増幅(Pixel-Gain-Adaptive Column Amplifier)技術”を共同開発したと発表した。
“適応ゲイン・カラム増幅技術”を搭載したCMOSイメージセンサー |
“適応ゲイン・カラム増幅技術”は、CMOSイメージセンサーのカラム(垂直画素列)出力部ごとに、低ノイズ/低消費電力の適応ゲイン型の増幅器を設けることにより、薄暗い場所などでの撮影時のノイズを低減できる技術。CMOSイメージセンサーチップ内のセンサー部の近くにカラムごとの増幅器を搭載し、ノイズの混入を低減したという。増幅器は、画素ごとの信号の大きさを判断し、信号が小さい場合には一時的に増幅処理を行なってノイズ耐性を向上させ、その信号は最終段の画像合成ユニットで、増幅量に合わせたレベルで調整/復元されるという。また、固定パターンノイズを低減するデジタル信号処理についても、従来の12~14bit相当から17bit化したとしており、試作品による実験では、低照度時のノイズが従来比の約半分の263μV、固定パターンノイズ化4分の1の50μVに低減できたとしている。
従来のCMOSセンサーと“適応ゲイン・カラム増幅技術”搭載のセンサーとの比較 |