人気の地図ソフト、プロアトラスが約1年ぶりにバージョンアップされて、この6月に「プロアトラスW」として発売された。今回のバージョンアップの最大の売りは、1/25000詳細地図において、日本全国を広くカバーしたことだろう。これにより、同一縮尺面で広い地域を表示、スクロールすることが可能となった。また、収録地図が前バージョンの約20倍の地図面積となっているそうだ。次に、ユーザーインターフェイスが改良され、画面構成もすっきりとしたイメージになった(画面1、2)。従来のプロアトラスの画面は、ごちゃごちゃしていて個人的にはあまり好きではなかったが、プロアトラスWは、最近流行りのサイバーなイメージとなり、地図を参照するうえで必要最低限なボタンだけが表示される形になっている。地図の表示スピードも以前より早くなっているように感じる。
J-フォンと連携した
位置情報サービスにも対応
画面1 「プロアトラスW」のメイン画面。ユーザーインターフェイスが刷新され、画面もすっきりとしたイメージになった(オリジナル画面は1353×1041ドットだが、掲載用に640×480ドットに縮小している)。 | 画面2 操作ボタンなどが並ぶ右上部分をトリミングした。 |
ユニークな新機能として、携帯電話を持った人がどこにいるか、その位置を地図上に表示する機能が加わっている(画面4)。これは、J-フォン携帯電話の位置情報サービスを使ったもので、プロアトラスWでJ-フォンの携帯電話番号を入力すると、その携帯電話の位置を地図上に表示するもの。表示された携帯電話には、プロアトラスWで位置情報を取得したことがメールで送信される仕組みだ。対応する携帯電話はJ-フォンのみで、このサービスを利用するには別途ユーザー登録が必要だ。
その他の新機能としては、システム手帳サイズからA3サイズまでの大判印刷が可能になったこと。必要なエリアだけを都道府県別にインストールできるようになったこと。よく見る地図や検索結果を「Myフォルダ」に登録できること。最寄情報検索で最寄の施設や店舗をすぐに調べることなどもできる。また、DVD版のみ全国の住所をピンポイントで検索できるようになっている。
プロアトラスWに搭載されている地図データは、ベクタデータを採用する地図ソフトが多い中で、ビットマップであるラスタデータを採用する異色の存在だ。アルプス社の紙地図と同じ地図で、他の地図ソフトよりも施設名や交差点名などの情報量が多い。また、番地の区切りは色分けされているし、一方通行の情報などもはっきりと記載されている。
ライバル製品の追い上げ急で
大幅な変革を期待したい感も
画面3 全国にわたって1/25000詳細地図が追加され、ワイドにスクロールしながらブラウズできるようになっている。 |
画面4 電話番号を入力することで、その携帯電話を持った人がどこにいるかがわかる、J-フォンの携帯電話の位置を表示できるサービスが追加された。 |
地図ソフトの黎明期、紙地図と同じ品質を提供することで抜きん出たプロアトラスシリーズだったが、そろそろ大幅な変革が要求されている時期なのではないだろうか。
プロアトラスWの主なスペック | |
製品名 | プロアトラスW |
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OS | Windows 98/Me/NT 4.0/2000/XP |
メモリ | 64MB以上(128MB以上を推奨) |
HDD | 全国DVD/全国CD:320MB以上(フルインストール時8.5GB以上)、首都圏:180MB以上(フルインストール時1.6GB以上)、東海:190MB以上(フルインストール時1.5GB以上)、近畿:190MB以上(フルインストール時1.3GB以上)、中国四国九州沖縄:200MB以上(フルインストール時1.9GB以上)、東北北海道:200MB以上(フルインストール時2.2GB以上)、日本広域:320MB以上(フルインストール時690MB以上) |
競合・関連製品レビュー
インクリメントP「MapFan.net」レビュー | アルプス社「ジオアトラス2001」レビュー |