Manager Sales Dept/Youngcheol Lee氏 |
人目をひくユニークな形状のCPUクーラーでお馴染みの韓国Zalman Tech。6月に台湾で開催されたCoputex Taipei 2002でも、さっそくヒートパイプを使用したビデオカード用ヒートシンクを展示し、来場者の注目を集めていた。
今回は、来日中のSales Manager・Youngcheol Lee氏に緊急インタビューを行い、会社の概要や新製品について話をうかがった。
――まずZalmanという会社について教えてください
Zalmanというのは韓国語では「良いものを作りましょう」などという意味が込められた言葉になります。会社は1999年1月に設立されました。
――衝撃的な扇形のヒートシンクがでたのは昨年の3月くらいだったと思いますが、あの製品が第一弾ですよね
アキバ登場第1弾となった同社のクーラー |
そうです。出荷開始は1月になります
――設立から製品出荷まで時間がありますが、それは何か理由が?
開発は済んでいたんですが、量産するのに時間がかかってしまったんです
――Zalmanはクーラー専門の会社と考えてよろしいんですか?
そうです。クーラで有名な企業のなかにはケースも扱っているメーカーがありますよね。うちも一部電源を作ってますが、クーラー専門と考えていただいてかまいません。
――韓国の競合メーカーは存在するんですか?
小さなメーカーは数社ありますが、ほとんど競争力はないですね。だだ、韓国でも日本でもそうですが、台湾メーカーの製品が幅をきかせています。それらの製品と差別化するために高級品を目指しています。ですから、他メーカーの製品よりも価格設定が高くなっていると思います。
――世界的に見れば、というか日本の市場を見ても競合は激しいですよね。市場は飽和状態なのではないでしょうか?
確かに日本の自作市場はパイが小さいです。むしろヨーロッパやアメリカの方が大きい。これからは他のメーカーと組んでSilent PC向けのソリューションを目指していくというのもひとつだと思います。もともと、私どもがクーラーに目をつけたのは、SilentPCがコンセプトにあったんです。
――クーラーの騒音値としては、どれくらいを目指しているんですか?
ノーマルで30dB、少なくとも20dBくらいに抑えたいと考えています
――扇形のクーラーについてお伺いしたいのですが、あの形状は大変ユニークだと思いますが、製作のきっかけは何なんでしょうか?
一般的なCPUクーラーは櫛型になったフィンが何本もたっている形になっていますよね。そのベースと櫛型の凹みの部分が放熱のネックになっていると考えたんです。私どもの製品は薄いフィンを何枚を使い、それを束ねています。つまり、櫛型の凹み部分ができない構造になっています。
クーラーのベース部分近くはフィンを束ねたようになっている |
――先日のComputex Taipei 2002でヒートパイプを使用したビデオカード用の新製品が展示されていました。最後に他にこれから登場する新製品はありますか?
Computex Taipei 2002で展示されていたビデオカード用ヒートシンク |
まず8月にPentium 4用の5700Dという型番のCPUクーラーを出します。これはダクトを使用したものになっています。クーラーからケースファンに向けて空気を排出するタイプです
――ヒートシンクの形状や素材はどうなっていますか?
ヒートシンクは銅です。形状はCNPS5000-Plusのような形になると思います。
――AMD用は何か予定してますか?
Hammer用を開発中です。こちらは10月の発売になります。まだ詳細はいえませんが、ある国のスタジアムのような形状になります。素材は銅になりますが、銅の量を減らして今までよりも軽くしています。
――ところで韓国といえばブロードバンドが日本よりも普及しています。そちらの方面への展開は考えていないんでしょうか?
実は、あるメーカーからADSL用のボックスが熱くなるので、そこに使うファンを開発してくれ、という話がありました。しかし、うちはあくまでヒートシンクとセットにした製品を開発していきたいと考えておりますので、お断りしました。また、屋外に設置されるものですからアフターケアも大変になったでしょう。
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