モデムやルータ、スプリッタに被せれば、それだけで外部のノイズから機器を守り、ADSLやLAN接続の転送速度が向上するという製品「ノイズウォール・シールド」(型番:LD-NWS1)がエレコムから登場した。ノイズから守りたい機器を40×60cmの薄いメッシュ材で完全に包むことで、ノイズに弱いADSL機器などを電磁波の悪影響から守るのだという。
「ノイズウォール・シールド」。実際は薄手のメッシュ素材だ | ADSLルータを包んだところ。このようにして用いる |
ややアヤシげな説明文が躍るパッケージ裏面 |
「また電磁波か」と思った人がいるかもしれないが、この電磁波防止メッシュ材は「病院施設内や特殊な研究室の、ノイズに弱いデリケートな精密機械をシールドする素材」だそうだ。これだけではこのメッシュが何からできているのかわからないが、メッシュ状であるため、包んでも機器が熱暴走する心配はなさそう? また「アースを取るとより効果的」とマニュアルに書かれていることからもわかるように、通電性の生地ではある。
LEDと電池を用いて実験してみると、たしかに通電性があると確認できた |
さて気になる効果のほどだが、マニュアルには「ノイズを遮断できるのか実験してみましょう」として、ノイズウォール・シールドで携帯電話を覆ってみるようアドバイスされている。実際に携帯電話を包んでみると、アンテナが3本立っていた場所で圏外と表示された。理化学用語的には、電波は電磁波の中に含まれる(数THz以下の電磁波を電波という)ため、携帯電話のアンテナが減るということはたしかにある程度の周波数の電波を遮断すると判断して良さそうだ。あとは、ADSL機器に悪影響を与える周波数の電磁波をどれだけ遮断するか、そしてそもそもどの程度速度向上に効果があるのかということになるが、こればかりは実際に試してみるほかない。また、この素材でルータやハブを覆うと無線LAN接続がそのままでは不可能になる可能性があるのも注意しておいた方がいいだろう。
価格はコムサテライト3号店で2180円。肝心のデータがエレコムのウェブサイトにないため、なかなかナゾな製品となってしまってはいるが、1bpsの速度向上でもと、ケーブルにフェライトコアを巻いたり、高価なスプリッタに買い換えたり、ケーブル長をできる限り短くしたりしている人なら試してみる価値はある…かも? ちなみにエレコムからはあわせて、同じ素材を用いたテープ「ノイズウォール」も登場。こちらはネットワークケーブルに巻くことで、ノイズウォール・シールドと同等の効果が得られるという。こちらも販売を開始したのはコムサテライト3号店で、5m分(型番:LD-NW5)が1580円、10m分(型番:LD-NW10)が2280円。
「ノイズウォール」。メッシュ素材を用いたテープだ | 巻き方には2とおりあるようだ。効果はノイズウォール・シールドと同じだとか |