カシオ計算機(株)は6日、携帯機器向けの小型燃料電池を開発したと発表した。
ノートパソコン用モジュール(上)とデジタルカメラ用モジュール(下)のイメージ |
開発したのは、燃料となるメタノールなどのアルコールから改質器を利用して水素を生成し、水素から発電セルを通して電気エネルギーを取り出す“改質型燃料電池”と呼ばれるもの。メタノールを水素ガスに変換する独自の改質器“マイクロリアクター”をシリコンウエハー上に形成したことで、水素ガスの変換効率を98%以上に高め、小型化したのが特徴。
超小型改質器“マイクロリアクター”の表側(左)と裏側(右) |
同社は、ノートパソコンやデジタルカメラ、PDA、ポケットテレビなどに利用できるとしている。ノートパソコンでは、燃料にメタノールを使用した場合、リチウムイオン充電池の約半分の重量で約4倍の電池寿命を実現でき、同社のノートパソコン“FIVA”なら、20時間の連続動作が可能になるという。さらに、高エネルギーのアルコールなどを燃料として使用すれば、6倍から8倍の性能が得られる可能性があるという。また、燃料のランニングコストもきわめて安価にできるとしている。同社は今後、性能向上や実用性の研究開発を進め、2004年に実用化を目指すという。
実用化のイメージ(FIVA) |