実売で4万円を切る価格でドルビーデジタルとdtsのハードウェアデコードに対応し、新設計のサテライトスピーカとサブウーファで音を磨き上げた5.1chサラウンドシステム「Inspire 5.1 Digital 5700」がクリエイティブメディアから登場した。
デコーダアンプ搭載の
低価格5.1chシステム
デコーダアンプ部のフロントパネル。サブウーファとセンタースピーカ、サラウンド、マスターのそれぞれのボリューム調整に加え、入力ソースやエフェクトの切り替えボタンなどが並ぶ。 |
Inspire 5.1 Digital 5700は、すでに発売されている5300と同じ5.1ch構成だが、新設計のドライバとキャビネットを採用したグレードの高いスピーカが採用されているのに加え、デコーダアンプを搭載している点が大きく異なっている。5300はドルビーデジタル/dtsデコーダを積んでいないため、同社のサウンドカード「SoundBlaster Audigy」などと組み合わせて、あらかじめ5.1ch音声に分解した音声を入力する必要があった。これに対してデコーダアンプを持つ5700は、デジタル音声信号出力端子を持つDVD再生環境であれば、PCはもちろん民生機でもPlayStation2でも、5700側でデコードして再生できるオールインワンパッケージとなっている。なお、音声フォーマットはドルビーデジタルとドルビープロロジック、dtsに対応する。
デコーダアンプ背面には、光と同軸のデジタル入力端子に加えて、アナログの入力端子が2系統(フロント/リア)、SoundBlasterシリーズ専用の9ピンDIN端子が並ぶ。各スピーカとはRCAピンで結線する。 |
スピーカは、フロントとリア用の4つのサテライトスピーカとアーチ型のセンタースピーカ、そして大型サブウーファという構成だ。低価格な5.1chスピーカでは、5つのサテライトがすべて同じ形状の小型スピーカというものが多いが、5700ではセリフやボーカルの再生を重視して、センタースピーカに大きめのキャビネットを採用している。フロントバッフルは上から見ると弓のような大きな弧を描き、安定した定位を実現する。最大出力は21Wと大きく、解像感も高い。実際いくつかのDVDタイトルを視聴してみたところ、効果音などに紛れやすいセリフを明瞭に出力してくれた。
サブウーファはほかのInspireシリーズと異なり、バスレフではなく密閉型を採用している。なおスピーカケーブルは、サブウーファのみプッシュ式ターミナルで、サテライトスピーカは直付け。 |
製品にはワイヤレスリモコンも同梱される。電源やマスターボリュームのほか、2ch音声を5.1chで再生する「CMSS」などエフェクト機能の選択ボタンを備える。「TEST」ボタンを押すとそれぞれのスピーカから順番に音が鳴り、位置調整を行える。 |
同社のスピーカ製品というとPC用周辺機器というイメージがあるが、Inspire 5.1 Digital 5700は、DVDプレーヤ+大型テレビで楽しむためのオーディオシステムとしても十分なクオリティを備えている。むしろ、表示デバイスの制限がキツいPCのスピーカとして使うのは少々もったいない印象さえある。実売価格で4万円を切る店舗もあり、デコーダアンプとスピーカの質を考えれば満足度は高い。5.1ch環境を安価に構築したいというユーザーは、一聴の価値がある製品だ。
Inspire 5.1 Digital 5700の主なスペック | |
製品名 | Inspire 5.1 Digital 5700 |
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対応音声フォーマット | ドルビーデジタル、ドルビープロロジック、dts |
最大出力 | フロント/リア 7W、センター 21W、サブウーファ 30W |
サイズ | アンプ 75(W)×170(D)×251(H)mm、フロント/リア 96(W)×112(D)×92(H)mm、センター 166(W)×108(D)×89(H)mm、サブウーファ 262(W)×264(D)×284(H)mm |