Palominoコアを搭載したデスクトップPC向けのAMD製新型CPU「Athlon XP」と思われる製品の販売がアキバで始まった。AMDからのアナウンスはなく、AMD製CPU恒例のフライング登場ということになる。実売価格は1万7500円~1万8800円。
まず印象的なのはCPUパッケージが従来製品から一新され、茶色になっていることだ。また、コア周辺も大きく変化し、従来のAthlonファミリで見られた「コアを取り囲む12個のキャパシタ」がCPU表面からごっそり消え、代わりにCPU裏面のコア直下へ配置され直されている。L1などが表面に見えているAthlon風なレイアウトは健在である一方で、キャパシタはPentiumIIIファミリに近づいた格好だ。パッケージを一新する理由としては、高クロック化や熱対策などの理由が考えられるものの、現段階ではなぜ茶色なのかも含めていっさいが謎に包まれている。
コアのマーキングは「AX1500DMT3C」で、ロットナンバーと思われるマーキングの2段目は「AGKGA0135RPMW」。2段目は、Athlon MPやAthlon-1.4GHz、1.33GHzと同じく13桁になっている |
注目のコアはPalominoコア版Athlonである「Athlon MP」と同様、Thunderbirdコア版Athlonに比べて大きく、正方形に近い形状になっている。最上段のマーキングは「AX1500DMT3C」。すでに一部ショップでは製品名を「Athlon XP 1500+」としているが、それを裏付けるかのような表記だと言えるだろう。このコアマーキングをAthlon MP-1.2GHz(コアマーキング:AHX1200AMS3C)と比較してみると、どのようなCPUであるかを示す、A(Athlonシリーズであることを示す文字)のすぐ後ろの文字が、Athlon MPの“HX”から“X”へと変化している点に気づく。そして続く4桁の数字の後ろを見ると、CPUソケットタイプを示す“A”がAthlon XPでは“D”に、Thermal Spec(温度上限)を示す“S”(95℃)が“T”へと変化している。また同時に、Athlon MPで動作電圧“1.75V”を示していた“M”の文字や、L2キャッシュ256KBを示す“3”、FSB 266MHzを示す最後の文字“C”に変化はない。マーキングを見る限り、基本的にAthlon MPとAthlon XPはほぼ同じようなCPUであると見ていいだろう。
Athlon-1.33GHzと認識したGA-7DX |
ここで、Gigabyte製のAMD761 North Bridge搭載マザーボード「GA-7DX」(BIOSリビジョン:F1)で動作させてみたところ、動作クロック1333MHz(=1.33GHz)であることがわかった。海外サイトや一部ショップが言っていたように、Athlon XPはコアマーキングの「1500」ではなく「1333」MHzで動作するもよう。ダウンロード可能になっている最新版BIOS「F5」でAthlon XPに対応する旨がGigabyteのウェブサイトには記載されており、最新BIOSにアップデートすれば問題なく使用できそう。
L1部分の外観はこれまでと異なっている。クローズとも、オープンとも取れるが詳細は不明 |
ECS「K7S5A」は「Athlon 4」、動作電圧1.744Vであると認識していた |
見た目を中心に大きなインパクトがある新CPUだが、正式な製品名を含め、詳細のほとんどは販売を開始した今をもってなお不明。10日と噂されるAMDの正式発表や、今後明らかになるだろう情報が開示されるまでは「人柱専用CPU」ということになりそうだ。
3日現在の価格は以下のとおり。
価格 | ショップ |
---|---|
\17,800 | パソコンハウス東映 |
\17,950 | OVERTOP |
\18,780 | コムサテライト1号店 コムサテライト3号店 |
\18,800 | 高速電脳 |
価格提示なし | サトームセンパソコン館 PC isLand(4日から販売) Storm(完売) RockValley(完売) |