バルク版の登場からちょうど1週間遅れで、国内代理店のインフォマジックによる日本語リテールボックス品の流通が始まった。基本的には従来のMillenniumシリーズを踏襲したパッケージデザインだが、人の顔をリアルタイムにレンダリングできる「HeadCasting」エンジンを前面に打ち出したことで、従来よりも若干ハデなものになっている。
ラインナップには存在する、DVI+DVIモデルや、D-Sub+D-Subモデルなどは、複数ショップからの情報によるとやはり登場が若干遅れるようだ |
カード自体は先週から出回っているバルク版と同じくDVI+D-Sub15ピンのDualHead対応モデル。32MBのDDR SDRAMを搭載し、RAMDACは360MHz(セカンダリは230MHz)である点など、仕様面でも変更はない。大きな違いはリテールパッケージが同梱する「Matrox Virtual Presenter for Microsoft PowerPoint」「HeadFone by LIPSinc」「Digimask System」という3つの「HeadCasting」エンジンを利用するソフトだ。それぞれ概要は以下のとおり。
- 「Matrox Virtual Presenter for Microsoft PowerPoint」:プレゼンテーションソフト「Microsoft PowerPoint」と連動しながら音声にあわせてリアルタイムに顔をレンダリングし、プレゼンテーションに視覚的な効果を与えるツール。
- 「HeadFone by LIPSinc」:オンライン通信時に“インターネット電話”のような音声通話を可能にするソフト。同時に、3Dの顔を音声にあわせてレンダリングすることで、「あたかもその場に通信相手がいるかのよう」(インフォマジック)な、テレビ電話のような効果をもたらすという。
- 「Digimask System」:HeadFone by LIPSincで用いる3Dの顔型を作成するソフト。詳細は不明だが、顔の正面と側面の写真データをこのソフトで加工したのちにDigimask社に送ると、その写真をもとにした3Dの顔データが返送されるようだ。
パッケージと同様、バンドルソフトも明確にゲームではなくプレゼンテーションやコミュニケーションを意識したものになっているのが印象的だ。3D性能には期待できないMillennium G550がとった苦肉の策ととれなくもないが、そもそも3DゲーマーがMillennium G550を積極的に選択するとは思えないだけに、プレゼンテーションとコミュニケーションツールとしてのビデオカードだとMillennium G550を位置づけたこの戦略が、企業ユーザーなどに新たな需要を生む可能性はある。
ただし、インフォマジックによると、現在のところHeadFone by LIPSincとDigimask Systemには日本語OS上での不具合があるとのこと。HeadFoneによるネットワーク接続が上手くいかない場合があるのと、Digimask Systemで画像データを取り込む際、2バイト文字で書かれたフォルダから取り込むことができないそうだ。この点には注意しておいた方がいいだろう。なお修正版は後日、同社のウェブサイトからダウンロードできるようになる予定だ。
不具合について注意を促すシール |
バルク版にも付属していたDVI→D-Sub変換コネクタのほか、今回はじめて日本語マニュアル、そしてテレビ出力を可能にするケーブルが付属し、価格はコムサテライト2号店で1万7780円、コムサテライト1号店で1万8500円、コムサテライト3号店で1万8780円、高速電脳で1万8800円。先週末、多くのショップに出回ったことで最安値が1万4000円台まで下落したのを考えると割高感が否めないためか、さまざまなバンドル品がある割には、バルク版登場時の過熱気味なショップ側の反応は今回なりを潜めている。
価格 | ショップ |
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\18,200 | ZOA 秋葉原本店 |
\18,480 | 若松通商エルプラザ 若松通商LAN/PLAZA |
\18,780 | コムサテライト3号店 |
\18,800 | クレバリー1号店 クレバリー3号店 高速電脳 USER'S SIDE本店 |
\19,800 | TWOTOP 1号店 TWOTOP 2号店 T-ZONE.PC DIY SHOP BLESS 秋葉原本店 |
\19,999 | ソフマップ1号店 Chicago カクタソフマップ |