東京・有明の東京ビッグサイトで、10日に開幕した“コミックマーケット60”の、東西両展示棟に出品している各サークルの詳報を、以下に掲載する。
本物の魔術師が買いにくる?
東京ビックサイト東展示棟は、通路を挟んで東1~3と東4~6の2棟に分かれている。その両方が、無数の人であふれかえっていた。カタログによると、10日の東展示棟は主にゲーム関係の同人誌などとなっているが、厳密に分類されているわけではなく、それぞれのブースがさまざまな種類の冊子、グッズを出品していた。
サークル“無極庵”は、洋の東西を問わず、あらゆる種類の魔術の本を販売していた。
![“無極庵”の魔術本](/img/2001/08/11/114666/l/8aa5150d5b1a8287.jpg) |
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“無極庵”の魔術本。西洋魔術から神道、アイヌの神々、ゾロアスター教、安倍晴明関連まである |
西洋魔術から神道、アイヌの神々、ゾロアスター教、陰陽師の安倍晴明関連まである“まじめな魔術本”というこれらの本は、もともと“無極庵”に所属する人たちが、小説やマンガを書くときの参考資料として集めたもの。それがいつの間にかこのような本になったという。コミックマーケット以外に、書店に委託しての販売も行なっている。購買層は幅広く、「マンガや小説の作者、ゲーム制作者、神主から本物の魔術師まで」買いにくるという。
![今回発売した本](/img/2001/08/11/114667/l/99b7b810df17cd37.jpg) |
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今回のコミックマーケットで発売した“セーマン・ドーマン”と“神道 大祓詞” |
![不動の秘印](/img/2001/08/11/114668/l/fc7316d31b685f04.jpg) |
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不動の秘印。つまり金縛りのかけ方である |
今回のコミックマーケットに合わせて発売したのは、『神道 大祓詞』と『セーマン・ドーマン』。『セーマン・ドーマン』には、九字(臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前)の切り方や、金縛りのかけ方、破り方などが記載されている。また、19世紀のスコットランド・エディンバラでケルト文芸復興運動が活発になった時に出版された、ケルト文芸と当時ヨーロッパで流行していたジャポニズムの融合した詩集・イラスト集、『EVERGREEN』も復刻販売していた。
サークル“Easy&Exciting Game(EEG)”では、第2次大戦や戦国時代をテーマにしたボードゲームを販売していた。
![EEGの面々](/img/2001/08/11/114669/l/d51c73c093af9bb9.jpg) |
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EEGの面々。恐そうな風体だが、明るい人たちだった。しかも、普段はかなりお堅い仕事をされているらしい |
![机の上に並べられた冊子](/img/2001/08/11/114670/l/3c7b22d73cd2c6a0.jpg) |
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机の上に並べられた冊子。『大日本帝国 本土決戦』や『天王寺最終決戦』など、過激なタイトルばかり |
![コマ](/img/2001/08/11/114671/l/d8eb1207cefef8a1.jpg) |
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『ミッドウェーの惨劇』用のコマ。かなり通なお客さんから、「このシルエットは違う」などと指摘されることもあるとか |
時代背景やゲームの説明などを記した冊子に、マップやコマが付属する。ゲームはサイコロを転がして得た数字に従って、ヘックス(6角形の升目)に区切られたマップ上のコマを動かして行なう。コマの上の絵も手作りのため、購入者から「この何々のシルエットは違う」などと指摘されることもあるという。
サークル“流星改”は、Zガンダム関連の解説本や小説を出品していた。モビルスーツのイラスト集のほかに、原作のストーリーと並行する別のストーリーを作成したり、オリジナルなモビルスーツを追加したりといったことも行なうという。
![“流星改”のブース](/img/2001/08/11/114672/l/057e42fee37d7b85.jpg) |
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“流星改”のブース |
![オリジナルのモビルスーツ](/img/2001/08/11/114673/l/a3f6b35952efe2b5.jpg) |
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オリジナルのモビルスーツ。100式改を基にしたものだという。サンライズさんごめんなさい |
同サークルの出品していた本の中には、『連邦軍艦艇概要』や『ジオン軍艦艇概要』など、かなり希少価値の高い情報もあった。
スタートレックのファンクラブ“スターシップコンゴウ”は、スタートレックの情報誌『星空探検 29』を出品していた。
![『星空探検 29』](/img/2001/08/11/114674/l/e2d3fc3d19143c79.jpg) |
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『星空探検 29』価格は1000円なのだが、1000“LATINUM(スタートレックに登場するある異星人の通貨単位)”と記載されている。ちなみに、“スターシップコンゴウ”の会長は、会長ではなく「船長」と呼ばれるという |
『星空探検 29』は、基本的には同会の会報という体裁になっている。アメリカの“スタートレック・コンベンション”や“ハリウッドミュージアム”などの情報を掲載している。また、映画『The Next Generation』のテーマ曲の楽譜も載っている。
![“ハリウッドミュージアム”](/img/2001/08/11/114675/l/f87b4acfbdaa5cfc.jpg) |
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“ハリウッドミュージアム”を見学した会員の記事。ほかにも、スタートレックに出演した俳優たちの写真やエピソードを多数掲載している |
そのほかに目にとまったもの
![『SYSTEM32 DATABOOK』](/img/2001/08/11/114676/l/791d2baa69c4e51d.jpg) |
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“D研究所”が販売していた『SYSTEM32 DATABOOK』。(株)セガのアーケードゲーム用の基板の解説書だ |
![オープンソースな本](/img/2001/08/11/114677/l/db2f0fc0ee944cdf.jpg) |
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著者がさまざまな解析を行なって得た情報を、読者が誤りを指摘して精度を高めていく、オープンソース的な手法を採用しているという |
![これも魔術本](/img/2001/08/11/114678/l/02f95d8f84e84b43.jpg) |
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これも魔術本。“Street.Master.Dragon”による、さまざまなゲームに出てくる魔術用語の解説集 |
![計算用Excelファイル](/img/2001/08/11/114679/l/eb588c94b5862036.jpg) |
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『GURPS』というゲームの、ヒットポイントなどを計算するためのExcelファイル。キャラクター作成時に非常に繁雑な計算が必要となるゲームであり、それを補うために“KEI-SOFT”が開発した |
![ヴァーチャロンのパロディー](/img/2001/08/11/114680/l/6ab652ea2ec72c5e.jpg) |
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『電脳戦機ヴァーチャロン』のパロディー本。表紙を見て思わず買ってしまった(中西)。“T-TA”さん作 |