日本ポラデジタルの「PrimeFilm1800i」は、3万円を切る低価格な35mmフィルムスキャナだ。APSやブローニには対応しておらず、スキャンできるのは35mmフィルムのストリップおよびスライドマウントのみというシンプルな製品だが、低価格ながらも本格的なスペックを持つ。
シンプルな構造と操作性
本体を上から見たところ。トランスルーセントボディのため、内部構造がよくわかる。 |
PrimeFilm1800iの基本スペックは、光学解像度1800dpi、読み取り階調はRGB各12bit、補間解像度は最高19200dpi――と、低価格機としては十分な仕様だ。インターフェイスはUSBのみで、Windows/Macintosh両対応のパッケージとなっている。
本体はトランスルーセントなボディの上面がブルーグリーン、下側がスノーホワイトというツートーンカラーで、電源を入れている間はスキャン光源の白色LEDライトにより内部からかなり明るく照らされる。スキャンの際には本体上面の前部を上に開けてフィルムをセットする。長いストリップの場合には左右にはみ出すことになるが、フタの部分のそのための切り欠きが設けられている。
上面の前部を上にあげ、内部のフィルム抑えの下にフィルムをはさみ込むようにしてセットする。 |
スキャン時には光源がフィルム面の下に、センサがフィルム面の上にせり出すように動いて読み取りを行う(のが外側から見える)。コマの自動送り機能は備えておらず、1コマ単位でセットしなおすことになる。具体的には内側のフレームを上げてストリップフィルムをはさみ込むようにセットする。スライドの場合はスライドのまま、フレームの下に押し込めばよい。フィルム面の周囲は、フレームによって押し下げられると下に沈むようになっており、ストリップ時とスライド時の高さ(センサからの距離=フォーカス)が一定になる。
スキャンドライバ「CyberView」の画面。 |
付属のスキャンドライバ「CyberView」は、シンプルなインターフェイスながら、明度/コントラスト、RGB個別の濃度調整やガンマ補正、自動ガンマ調整などの画像調整機能はひととおり揃っており、調整結果はプレビューに反映される。自由曲線でのガンマ指定やハイライトポイント/シャドーポイントの指示、画像の回転や鏡像反転スキャンなど、低価格スキャナだからといって機能的な不足はない。また、付属ソフトをインストールすれば、タスクトレイに常駐するツールにより、スキャナ本体前面にある「SCAN」ボタンを押すとスキャンソフトが自動起動するように設定できる。スキャン後にアプリケーションに画像を読み込ませたり、ファイルに保存することも設定可能だ。