米マイクロソフト社とソフトバンク(株)は、すでに米マイクロソフトが米国で提供しているインターネットによる自動車販売仲介サービス“MSN
CarPoint(カーポイント)”を、日本において両社共同で開始することで合意した。両社とヤフー(株)の3社が出資をしてカーポイント(株)を4月に設立する。米マイクロソフトとソフトバンクがインターネット分野で合弁企業を設立するのは初めてのことという。
カーポイント(株)の資本金は700万ドル(約8億4000万円)。ソフトバンクが50パーセント、米マイクソフト社40パーセント、ヤフーが10パーセントを出資する。社長はソフトバンクの孫正義社長が就任するが、今後専任の社長を任命する予定。サービスの開始時期は、新車販売が今年11月、中古車販売が2000年初頭を予定している。
“MSN CarPoint”は、'95年にサービスを開始。同サービスは、自動車ディーラーからの加盟料金で成り立っている。この加盟料は、自動車購入を希望する顧客を紹介する件数が10~20件の場合は495ドル(約6万円)で、紹介件数に応じて加盟量は増加する。提携しているディーラー数は、“MSN
CarPoint”に料金を払って登録しているディーラーが約2800社、また料金を払っていないが提携しているディーラーを含めるとその数は5000社を超えるという。全米にはディーラーが約2万2000社あり、その4分の1が提携していることになる。
同サービスは、同一車種の比較検討が容易に行なえる点で、ユーザーにとってメリットがあるという。車の売買だけではなく、融資や保守などについて業者を紹介したり、自動車に関する評論をサイト上に掲載するなど、自動車に関するポータルサイトとして機能している。1月には380万人のユーザーがアクセスし、2月には4億5000万ドル(約530億円)の販売を仲介したという。
孫正義ソフトバンク社長 |
孫正義ソフトバンク社長は、“MSN CarPoint”を提携相手に選んだ理由として、米国での自動車販売実績がトップであること、MSNジャパンとYAHOO!
JAPANの2つのポータルサイトを通じてアクセスできること、米マイクロソフトの技術やノウハウを導入できること、両社のブランド力を活かせることなどをあげている。
また、孫氏は、「自動車は、年式や販売店など多面的な検索の必要性が高く、また、ローンやアクセサリー、保険、保守などワンストップ・ショッピングのニーズが高い。そのため、自動車販売はインターネットによる販売が適していると考えている」と、同事業の将来性について述べた。また、「日本では、自動車ディーラーの多くがメーカーの系列になっているが、メーカーの多くは従来の販売チャンネルを補完するものとして、カーポイントをみてくれている」と述べた。日本におけるサービスも、米国と同様にディーラーからの加盟料金を前提にしたビジネスモデルを想定しているという。
ビデオレターで挨拶する、米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長兼CEO |
本日の記者発表では、米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長兼CEOがビデオレターによるコメントを発表するなど、今回の合弁にかける意気込みをうかがわせた。
ビル・ゲイツ会長兼CEOは、「日本版カーポイントのサービスはMSNジャパンとYAHOO!
JAPANを通じて紹介される。自動車メーカーや販売店は、日本のインターネット人口の80パーセント以上を占める自動車ユーザーに向けて、車の紹介や販売を行なえる。ユーザーは自動車の検討や購入のためのお金や時間を節約できるようになる」と語った。