米Connectix社は5日(現地時間)、サンフランシスコで開催中のMACWORLD
Expoにおいて、ソニー・プレイステーション用のエミュレーター、『Connectix
Virtual Game Station』を発表した。これはプレイステーションのソフトを、マッキントッシュでプレーできるようにするもの。
『Connectix Virtual Game Station』はG3プロセッサーを搭載したマッキントッシュで動作し、iMacでも動作可能。ただし、G3アップグレードカードを使用したマッキントッシュでの使用は推奨されていない。日本語版タイトルへの対応など、詳細は現在のところ未定だ。
同エミュレーターではすべてのプレイステーション用ソフトが動作するわけではない。Connectix社によって動作保証されているプレイステーション用ソフトは約100タイトルで、タイトル一覧は同社のサイトで確認することができる。
ゲームの操作はマウスとキーボードだけで行なうことができる。また、外付けのジョイスティックにも対応している。
同社のRoy McDonald社長兼CEOは、「『Connectix Virtual Game Station』は、世界でもっとも人気がある数々のゲームをマッキントッシュ上でプレーできるようにするもので、マッキントッシュ・プラットフォームにおけるゲームの可能性を広げるものです。ソニー・プレイステーションとの完全な互換性は取れていませんが、消費者の皆さんがマッキントッシュでプレイステーションのゲームをプレイできることを楽しんでくださると確信しています」と語っている。
なお、プレイステーションの発売元である(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントによると、同社ではConnectix社から同エミュレーターの開発・発表について事前の説明を受けたかどうかは不明とのこと。Connectix社でも、ソニーからのライセンスは受けていないと表明している。
ソニー側では同製品を正規商品とは認めておらず、場合によっては法的措置も辞さないとの姿勢を見せている。
この件について、知的財産権問題に詳しい識者の1人は次のようにコメントしている。
「エミュレーターの開発において、Connectix社がプレイステーションのソースコードをそのまま使ったといった事態がないかぎり、Connectix社製品自体を訴えるのは難しい」
「次にエミュレーターを使ってプレーする行為を禁じられるかどうかだが、これにも疑問符が付く。ゲームタイトルのCD-ROMをマッキントッシュのハードディスクにコピーすることなくプレーできるなら、ソニーやゲームソフトメーカーがConnectix社やユーザーを訴えるのは困難だろう」
「ユーザーがプレイステーションのゲームCD-ROMを買うときに、プレイステーションでプレーする権利だけを認めている使用許諾件契約であることを周知徹底できるようにすれば話は別だが、それは現実的ではない」