米クォーク社は、25日(現地時間)、米アドビ
システムズ社に対し、買収の提案を行なっていたことを明らかにした。
提案は書簡の形式で、18日、アドビのボードメンバーでエグゼクティブオフィサーのJohn
E. Warnock(ジョン・E・ワーノック)氏と、同じくプレジデントのCharles
Geschke(チャールズ・ゲシュケ)氏宛てに送付されたもの。クォークのチーフエグゼクティブオフィサー、F.Fred
Ebrahimi(フレッド・エブラヒミ)氏は書簡の中で「買収金額はアドビ社の現在の株価にプレミアムを付けたものであること」、「クォークが、アドビのすべてまたはしかるべき割合の株式を購入することによって、アドビの株主に価値をもたらすこと」、また、「両社の製品群や顧客層の統合によって、シナジー効果を実現できる」などと書いている。
アドビは、クォークに対し、21日、今回の買収の提案には興味がないという主旨の簡単な書簡を送っている。これに対して、クォークは、合併は、互いの顧客と株主に現在の市場レベル以上の評価を与える好機となると改めて強調、アドビに再考を促すとともに、対話の機会を持ちたいという意向を示す書簡を25日に送った。
また、アドビも、25日、クォーク社のプレスリリースを受ける形で、同社のホームページサイトに今回の合併話に関する見解を掲載した。
なお、クォークの日本法人であるクォークジャパン(株)は、「米国サイトのプレスリリース以上の情報を受け取ってはおらず、買収金額に関しても、アドビ社の現在の株価より高いということしか聞いていない」とコメントした。
たとえ、買収が実現したとしても、独占禁止法の観点から、当局が認めない可能性が高い。アドビは、すでに、FrameMakerを買収しており、合併会社は、ページレイアウトソフトにおいて、ほぼ、100パーセントのシェアを握ることになるからである。