グローバル ワン (株)は16日、IP-VPN(IP based Virtual Private Network)の新サービス“グローバル
イントラネット VPN”を日本国内向けに提供を開始したことを発表した。同様のサービスは、ベルギーのグローバル
ワン社が世界14カ国で提供しており、同社グループでは、これから今年末までにサービス提供国を30カ国に拡張する方針を打ち出している。
発表会では、まず同社日本法人の社長を務めるVinod Kumar(ヴィノード・クマール)氏が、今回のサービス開始に至る背景と意義について述べた。それによると、多国籍企業における通信ネットワークには、セキュリティを確保するための柔軟性と広範な地域への対応が必要だとした上で、同社はその要求を満たすサービスを提供できるという。また、今回発表したグローバル
イントラネット VPNは、同社戦略の中核として位置づけ、今後はASP(アプリケーションサービスプロバイダー)を目指して総合的なサービスを提供提供していくと強調した。
続いて、ベルギーより来日したグローバル ワン社のIPネットワークサービスディレクターRichard
Wigley(リチャード・ウィグレイ)氏が、グローバル イントラネット
VPNの具体的なサービス内容について説明した。
グローバル イントラネット VPNは、MPLS(Multi Protocol Lavel Switching)を採用したIP-VPNサービス。基本的に専用IP網上で提供するもので、国際的な規模での情報通信を必要とする多国籍企業を対象とする。専用線やフレームリレー、ATM(Asynchronous
Transfer Mode)、リモートダイヤルといった多様なネットワークアクセスに対応できるとしており、グローバルフレームリレーよりも安価で、且つ、変更や拡張に対応しやすいなどの特徴を持つ。
グローバル イントラネット VPNで採用している“MPLS”とは、IPパケットにVPN
IDや重み(優先順位)の情報を記したラベル(タグ)を追加して、VPNを効率よく構築するための技術。次世代のIP技術として、IETF(The
Internet Engineering Task Force)で標準化が進められている。
グローバル ワン社長Vinod Kumar(ヴィノード・クマール)氏 |
ベルギーのグローバル
ワン社は、独ドイツテレコム社と仏フランステレコム社、米スプリント社の3つの電話会社が出資して設立した、国際電気通信合弁会社。音声通信やデータ通信、インターネットなどの国際通信サービスを提供している。グローバル
ワンはその日本法人。'96年には、グローバル ワン
コミュニケーションズ (株)を、'98年にはグローバル ワン
コミュニケーションズ ネットワーク(株)をそれぞれ設立し、日本国内向けに国際専用線サービスやインターネットサービスを提供している。