【SPEC】 開発/販売元●アドビ システムズ 価格●9万8175円(通常版)、2万6250円(アップグレード版) http://www.adobe.com/jp/ 対応システム●Mac OS X 10.4.11以上(Leopard対応) 対応機種●Core 2 Duo以上のIntel CPUを搭載したMac 備考●HD映像の編集にはRAID 0でストライピングされたディスクの使用を推奨 |
【COMMENT】 アップルや米アビッド・テクノロジー社などの競合ソフトが時代遅れに思えるほど、先端の動画編集を提案している。
テープレス環境にネイティブ対応!
プロ向けの映像編集ソフトである「Premiere Pro」の最新版「CS4」が発売された。最新版では、各種テープレスフォーマットへのネイティブ対応、メタデータ管理機能強化、CS4の各ソフトとのデータ連携強化──などの面で進化している。
ネイティブ対応したテープレスフォーマットは、プロ向けカメラの「P2」や「XDCAM EX」などと、家庭向けの「AVCHD」だ。従来とは異なり編集用のコーデックに変換する手間と時間がなくなり、撮影後にすぐに編集を始められる。これにより、作業効率は大幅に向上する。
ただし、そのぶんマシンパワーが必要になり、Xeon-2.66GHz/メモリー12GB/RAID 0構成のMac Proでやっとスムーズな編集ができる印象だ。Core 2 Duo-2.5GHz/メモリー4GBのMacBook Proではスクラブ再生にもたつきがあった。
メタデータによる素材管理の強化については、「スピーチ検索」機能が見逃せない。映像内の会話をタイムコードにリンクしたメタデータとして自動で書き起こし、キーワードを検索することで目的のシーンを直接検出できるようにする。長時間の素材の中から必要なシーンを探し出す際に役に立つだろう。
また、CS3ではWindows版が付属していたキャプチャーソフト「OnLocation」だが、CS4ではMac OS Xにもネイティブに対応。テープ素材をPremiereでキャプチャーするよりも、効率よくメタデータを打ち込んでデータ化できる。接続したカメラからMacに直接録画も可能で、その際にはベクトルスコープなどで素材の状態を確認しながらキャプチャーできる。
従来は素材の中身を事前にプレビューできなかったが、「メディアブラウザー」の搭載により、プレビュー再生で素材を確認しながらタイムラインに配置していく──というワークフローが可能になった。
テープレス素材を収録した記録メディア接続時にも、その中身を確認可能。さらに、Macで広く普及している競合ソフト「Final Cut Pro」のプロジェクトファイルの読み込みにも対応。制作環境をPremiereへ移行する際に、過去の資産を生かせるはずだ。
Premiere Pro CS4は、ワークフローのいくつもの工程で作業効率が向上している。納品までの作業時間の短縮が大いに期待でき、時間にシビアなプロにとって待望の進化といえる。