11月19日から21日まで開催されている「国際放送機器展(Inter BEE) 2008」の会場で、未来のビデオカメラに搭載されそうな、ちょっと面白いソフトを見つけた。
KDDI研究所のブースで紹介されていたのが、撮影した動画の「プロ度」が分かるソフトだ。これは、プロとアマチュアの撮影技術の違いを判断し、撮影スキルを100点満点で評価するというもの。カラオケの採点システムを想像すれば分かりやすい。
さっそく、ほとんど動画撮影の経験がない著者も挑戦してみた。目の前にある果物や花を好き勝手に10秒ほど撮ってみる。撮影を終えると自動的に採点開始。数秒で採点を終え、ドキドキしながら画面を見ていると、64点というビミョ~な点数が。一体これは平均なのか? 平均以下なのか?
何回もやっている人の点数が上がっているので、練習すれば少しずつは点数が上がるようだ。ちなみにテレビ局のプロのカメラマンが実際にやってみると、最初はまさかの70点台と本人も衝撃を隠しきれないヤバい状況に。2度目のチャレンジでは89点を獲得し、ホッとしたような彼の顔が印象的だった。ちなみに昨日はなんと100点を出した人もいたらしい。Inter BEEの会場ということを考えれば、プロのカメラマンだろうか?
もともとこの動画判定ソフトは、YouTubeなどに代表される動画投稿サイトの動画が違法かどうかを判別するためにつくられた。撮影技術や編集技術の高い動画は、テレビ番組や映画などをアップした違法動画の可能性が高くなり、それを自動的に検出できる。事前に違法コンテンツの定義付けをして、登録をしておく「指紋方式」に比べて、システム導入が容易というメリットがある。
この動画判定ソフトは将来的にコンシューマー向けのビデオカメラやデジカメに入るかもしれない。KDDI研究所の研究主査の菅野 勝氏によれば、「技術的には可能。ビデオカメラなどに搭載されれば、ユーザーがうまく動画を撮るための参考にできる」と述べる。
ビデオカメラの腕を磨くチュートリアルソフトとして、手ぶれ補正のように標準搭載される日が来るかもしれない。