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シマンテックのBackup Execがバージョンアップ

SMB向けバックアップソフトも仮想化対応!

2008年10月09日 00時24分更新

文● 新 淳一/企画報道編集部

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 仮想化によるサーバー統合で、サーバールームがシンプルになっても、バックアップなどデータ保護の問題がなくなるわけではない。仮想化すれば、仮想サーバーの実体をファイルとして簡単に扱えるようになるものの、数あるサーバーを定期的に別のサーバーやメディアにバックアップするとなれば、バックアップ専用ソフトは欠かせない。

Backup Exec

Hyper-Vの仮想サーバーでも物理サーバーでも、同じコンソールからバックアップ/リストアできる

 10月7日に発売されたシマンテックの「Symantec Backup Exec 12.5 for Window Servers」は、SMB(中堅・中小企業)向けのWindows Server用バックアップソフトだ。物理環境と同様に、仮想化した環境でもデータを保護/リカバリーできる。

 シマンテックは、すでに大規模企業向けのバックアップソフトNetBackupで仮想化対応を済ませているが、今回、SMB向け製品のBackup Execにも仮想化対応を広げたことになる。シマンテック広報によると「SMBのお客様も仮想化サーバーで運用したいというニーズが高まってきている」というのが背景にあるそうだ。

 Backup Execは、ハイパーバイザーにいち早く対応。VMware InfrastructureやMicrosoft Windows Server 2008 Hyper-Vの仮想サーバー環境でも、従来の物理サーバー環境でも、同じコンソールを使ってバックアップや設定などの操作ができる。従来、物理サーバー環境でBackup Execを使っていたユーザーは、慣れた操作で仮想サーバーも管理できるようになる。物理サーバーを徐々に仮想化していく過渡期など、仮想サーバーと物理サーバーが混在する環境ではとくに便利だろう。ライセンスは、物理サーバー1台あたりとなるため、1台のホスト上にある無数のゲストマシンをディスクやテープにバックアップできる。

 今回のバージョンアップでは、Granular Recovery Technology(GRT:きめ細やかなリカバリー技術)という機能も強化されている。GRTは、1つのバックアップから個々のファイルやイメージ単位でのリカバリーを可能にするものだ。具体的には、たとえばMicrosoft Exchange Serverでの個々の電子メールやメールフォルダ、Microsoft Office SharePoint Serverでの個々のドキュメントやデータベースといったものが個別にリカバリーできる。このため、リカバリーに要する時間が短縮され、同時にバックアップに要するストレージのリソースを低減できるそうだ。GRTは、シマンテックが米国の特許を出願中ということもあり、「Backup Execの他の競合製品に対するアドバンテージは?」という問いに対して、シマンテック広報は自信をもってGRTを押してくれた。

 なお、データバックアップ用ソフトであるBackup Exec 12.5のほかに、Windowsのシステムごとバックアップができる「Backup Exec System Recovery 8.5」もあわせて発売された。Backup Exec System Recoveryでは、災害やシステム障害発生時、元とは違うハードウェア環境や仮想環境に対してもわずか数分でWindows システム全体を復元できるため、システムのダウンタイムを大幅に減少できるという。さらに、物理サーバーから仮想サーバーへの移行(P2V)をスケジュール化する機能も追加されている。

 価格は、Symantec Backup Exec 12.5 for Windows Serversが1サーバーあたり16万1910円、Backup Exec System Recovery 8.5が1サーバーあたり16万3800円。また、小規模ユーザー向けにBackup Exec System Recovery 8.5の機能を簡略化して価格を抑えた「Symantec Backup Exec System Recovery 8.5 Basic Edition」(1サーバーあたり10万3950円)が11月に発売される予定だ。

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