米国現地時間5月21日、米マイクロソフトはODF(Open Document Format)を標準サポートすると発表しました。2009年上半期にリリース予定の「Microsoft Office 2007 Service Pack 2(SP2)」で、ファイルのオープン、編集、保存に対応する予定。同時に、PDFとXPS(XML Paper Specification)形式での保存もサポートするとしています。
ODFとは、OpenOffice.orgやサン・マイクロシステムズ、IBMなどが推すXMLベースの文書フォーマット。標準化団体のOASISが標準化し、2006年5月には国際標準化機構(ISO)に国際標準として採用されています。
一方のマイクロソフトも、ODFと競合するXMLベースの「Office Open XML(OOXML)」を国際標準として提唱。ISO標準化は昨年秋にいったん見送られたものの、今年4月には再可決により正式に採用された経緯がありました。マイクロソフトは、オフィスソフトの次期バージョン「Office 14」(コードネーム)でOOXMLをサポートするとしてるので、「今後はODFに切り替える」というわけではないようです。
政府調達にも盛り込まれた「標準」「オープン」優先
マイクロソフトのこうした動きの背景には、官公庁などを中心とした強いオープン化・標準化への要求があると見られています。
実際、日本でも昨年7月に政府が発表した「情報システムに係わる政府調達の基本指針」では、「国際規格などのオープンな標準に基づくものを優先する」という趣旨の文言が盛り込まれており、一時は「政府がMS-Officeを購入しなくなる」との一部メディアによる誤報騒ぎまで起きていました。今回の発表はそうした要請に対して、同社が標準化・オープン化に対して一層取り組む姿勢を強調したものと見ることできます。