富士フイルム(株)の「FinePix(ファインピックス) Z」シリーズは屈曲式ズームレンズを採用し、撮影時にもレンズの前に飛び出ないスリムなボディーが特徴のコンパクトデジカメだ。最新モデルである「FinePix Z10fd」は、新たに“ラウンド&エッジデザイン”と呼ぶ、丸みを帯びたボディを採用しているのが特徴である。
Fボタンを省略して、シンプルながら使いやすい操作系に
Zシリーズには最上位モデルとして、800万画素CCD&CCDシフト式手ぶれ補正機能を搭載する「FinePix Z100fd」(7月発表、関連記事1)があるが、本機は光学的手ぶれ補正を搭載せず、撮像素子も724万画素となっており、いわゆる普及機に位置付けられる。また、CCDは同社ならではのハニカム配列ではなく、一般的な正方画素配列タイプとなっている。
デザインはZ100fd(カバーを斜め下にスライドさせる)とは大きく変わって、曲線・曲面を多用しているのが目新しいが、本体左上にレンズ開口部があり、電源連動のレンズカバーを(ユーザーが右手に持って構えた状態で)右にスライドさせる点などはZ1~Z5fdなどと同様だ。ただし、Z1~Z5fdでは薄いレンズカバーが本体前面を上から下まで広く覆っていたのに対し、本機は前面の上3/4程度となっている。
外観で大きく目を引くのは背面の操作系で、同サイズの円形ボタンが上下に並んでいるのがなかなか面白い。下側は円形の十字カーソルで、上側は左右がズームボタン、上下が顔認識/再生モードの起動ボタンとなっている。下側のカーソル中央は「MENU/OK」ボタンとなっているのに対して、上側の中央はボタンにはなっていないのだが、撮影時に親指を押し当ててカメラをホールドしやすくなっている。2つの円形のカーソル/ボタン以外はDISPボタンがあるのみのシンプルな操作部ではあるが、FinePixシリーズが長らく採用してきた「Fボタン」がなくなっているのには少々驚いた。従来のFボタン(フォトモードボタン)では、カラーモードや記録画素数、感度といった使用頻度の高い機能の呼び出しが可能だが、一部はMENUキーによって呼び出せる項目と重複するところがあり、撮影/再生モードでメニューの項目が変わるインターフェースが採用されてからはメニュー画面と、Fボタンで起動するクイックメニューを分ける必要性が少なくなっていたのは事実だ。実際、すでに「FinePix A」シリーズではFボタンが省略されているわけで、他メーカーからの乗り換えユーザーに対してもシンプルな操作系を提供するという点ではひとつにまとめたほうがいいと判断したのだろう。
撮影機能としてはシンプルで、オートおよびシーンプログラム、マニュアル(露出補正やホワイトバランス設定可能)、顔検出による「顔キレイナビ」などが利用できる。最近のFinePixシリーズ同様にフラッシュ撮影と高感度撮影を連写する「高感度2枚撮り機能」などが採用されているほか、Z100fdと同様にカメラ単体で最大4点までの画像を1枚に合成レイアウトして保存する「オークションモード」も搭載されている。
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