日本ビクター(株)は24日、フルハイビジョン(フルHD、1080p)解像度の地上/BS/110度CSデジタル放送対応液晶テレビ“フルハイビジョン倍速液晶EXE”『LT-47LH805』『LT-42LH805』『LT-37LH805』を発表した。価格はオープンプライス。
同社では2006年4月に発表された液晶テレビ“EXE”シリーズから、1秒間60フレームの映像を、テレビ内部の映像処理回路によって120フレームに倍増(120Hz駆動)させることで、液晶テレビにつきものの映像の残像感を低減する機能を搭載してきた。今回発表された805シリーズは、新たに“10bitフルハイビジョン倍速液晶IPSパネル”と、新開発の映像処理回路“倍速GENESSA”(ばいそくジェネッサ)を搭載。既存製品や競合他社の製品の同種の機能よりも、残像感を抑えた鮮明な映像表現を実現するとしている。
805シリーズの120Hz駆動は、本来の映像データには存在しない“中間フレーム”を生成する“予測生成アルゴリズム”の強化を特徴としている。従来は、中間フレームの前後にあるフレームから、それぞれ800画素(計1600画素)分程度の映像情報を分析して、動きを予測した中間フレームを生成していた。新しい120Hz駆動では、前後からそれぞれ4000画素分(計8000画素)の広範囲の映像を解析することで、より精度の高い中間フレームを生成できるようになったという。同日、同社にて開催された製品発表会でのデモ展示では、同種の機能を搭載する競合他社の製品と比べても、横方向に流れる文字や建物の壁面の模様などが、鮮明に表示される様子が見られた。
10bitフルハイビジョン倍速液晶IPSパネルと称される液晶パネルは、階調表現の広さと色再現域の広さを特徴としている。色再現域はNTSC比で102%と広い。音響面でも、高音域から重低音まで、幅広い音域で質の高い音場を実現する、米Waves社の“MaxxAUDIO”(マックスオーディオ)技術を搭載し、優れた音響再生を実現する。
使いやすさに配慮した機能を豊富に搭載する点も特徴である。リモコンのボタンひとつで映像の明るさや色調、音質に設定できる“明/暗ボタン”を装備。部屋の明るさや視聴する映像に合わせた調整を、簡単に選択できる。
また、ユーザーの習熟度や目的に応じた操作ガイドを提示する“お助けガイド”機能を搭載した。デジタルテレビの複雑な機能に慣れていないユーザーに対しては、平易な文章で説明する“使いかた入門”で特徴や操作方法を説明するほか、使い慣れたユーザーには目的別の“目次”メニューや50音順の用語一覧によって、知りたい機能の操作方法を画面上で確認できる。従来機種に採用されていた音声による機能説明や、リモコン上のボタンの機能を画面で確認する“リモコンガイドボタン”といった機能も継承している。
47V型(47インチワイド)、42V型、37V型の3製品がラインナップされており、液晶パネルのサイズ以外は、3製品とも主な仕様は共通である。パネル解像度は1920×1080ドットで、視野角は上下左右178度、輝度は500cd/m2。3波対応のデジタル放送チューナーと、地上アナログチューナーをそれぞれ1基内蔵する。映像入力端子としては、HDMI入力(HDMI 1.3対応)を3つ、D4入力とコンポーネント入力を1つずつ、コンポジットビデオ入力を3つ備える。
予想実売価格は、LT-47LH805が53万円前後、LT-42LH805が45万円前後、LT-37LH805が35万円前後。発売時期はLT-47LH805が6月下旬の予定で、ほかの2製品は8月上旬の予定。