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ソニー、独自のネットワークコンテンツを楽しめる“BRAVIA J5000、J3000”シリーズを発表

2007年03月28日 22時25分更新

文● 編集部 小西利明

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ソニー(株)は28日、LANやインターネット経由で、独自のコンテンツサービスの利用やコンテンツ視聴を楽しめる機能を持つデジタル放送対応液晶TV“BRAVIA(ブラビア) J5000、J3000”シリーズ9機種を発表した。価格は全機種オープンプライス。

KDL-40J5000

ブラビア J5000シリーズの40V型モデル『KDL-40J5000』

“新しいTVの楽しみ方を提案する”ことをコンセプトとしたJ5000/3000シリーズは、ネットワークに関する機能を大きな特徴とする液晶TVである。第一の特徴は、“アプリキャスト”と呼ばれる専用ミニアプリケーション(ガジェット)を使い、TVを見ながらインターネット経由でニュースや通販サイト、オークションを利用したり、エンターテイメントコンテンツを楽しめる機能にある。

ながら見でTVとネットコンテンツを同時に楽しむ

J5000/3000シリーズの特徴

J5000/3000シリーズは独自のネットワークコンテンツと、DLNA対応による家庭内コンテンツ再生といった、ネットワーク上のコンテンツを楽しめる機能を大きな特徴としている

アプリキャスト

TV放送を左に表示したたま、右側で独自のネットワークコンテンツを楽しむ“アプリキャスト”

“TVをながら見しながら、ネットワークコンテンツを楽しむ”ことを目的として、アプリキャストのコンテンツは画面の右側3分の1程度の面積に表示され、残る3分の2にはTVや外部入力などの映像が表示される。組み込みのウェブブラウザー機能や、後述するTV向けネットワークサービス“アクトビラ”などは、画面全体を表示に使うため、“TVを見ながら”という使い方はできない。それに対してアプリキャストは、TVとネットワークの2種類を、同時に表示して楽しめる点を特徴としている。

アプリキャストのコンテンツは専用に開発されたガジェットで、メニュー画面(クロスメディアバー、XMB)から登録できる。登録可能なコンテンツはソニーによって認証されたもののみで、携帯電話向けのいわゆる“勝手サイト”のように、自由なコンテンツ作成・登録は考慮されていない。現時点では天気予報やニュース、ポストペットのキャラクターを使った占いコンテンツのほか、アマゾン ジャパン(株)や楽天(株)、ヤフー(株)などの通販やオークションのコンテンツが用意されている。

アプリキャストのサンプル画面

アプリキャストのサンプル画面。コンテンツによっては、操作に応じて大きな画面になるものも。これはポストペットキャラによる占いコンテンツ

アプリキャストからインターネット上のコンテンツを表示する必要が生じた場合は、組み込みのウェブブラウザー機能でウェブページを表示できる。もちろん通常のウェブブラウジングにも利用できる。またアクトビラにも対応しており、アクトビラが提供するTV専用のインターネットコンテンツも利用可能となっている。

もうひとつのネットワーク機能が、DLNAクライアント機能の内蔵にある。DLNAサーバーソフトが動作しているパソコンや、DLNAサーバー機能を持つHDDレコーダー(同社製品ではHDD/BDレコーダー『BDZ-V9』や“スゴ録”『RDZ-D97A、D77A』など)に蓄積されたMPEG-2ビデオや音楽、静止画などを、LAN経由で接続されたJ5000/3000シリーズ側で再生できる機能である。HD品質で録画されたデジタル放送のビデオも再生できる。

上位モデルは120Hz駆動と10bit階調パネル搭載

J5000シリーズは40V型と32V型の2機種をラインナップする。J3000シリーズは40V型、32V型、26V型、20V型の4種類のパネルバリエーションがあり、32V~20Vではさらに、シルバーとブラックのカラーバリエーションがあるなど、計7機種がラインナップされている。

いずれの製品も、ワイドXGA相当(1366×768)の解像度のパネルを採用している。パネル解像度だけで既存のラインナップと比較すると、ローエンドモデルの“ブラビア S2500”シリーズと同等と言えるが、画質面では大きく向上している。

特に上位機種に位置するJ5000シリーズには、液晶パネルの弱点である動きの速い映像の残像感を低減する、“Motionflow”と称する技術を搭載している。これは最近の高級な液晶TV製品で採用の増えている、60フレーム/秒(60Hz)の映像を倍速の120Hz(120フレーム/秒)で表示したうえ、元映像のフレームとフレームの間に映像処理回路で生成したフレームを挿入することで、残像感の少ない映像を作り出す技術である。同社では独自のアルゴリズムの採用により、元映像が縦横斜めの全方向に動いていても対応できるとしている。

Motionflowの概念図

Motionflowの概念図。60フレーム/秒の映像の間に、動きを補間したフレームを挟むことで残像感を低減する

映画素材に対するMotionflowのフレーム補間の概念図

映画素材に対するMotionflowのフレーム補間の概念図。元映像の間に4フレームの補間フレームを挿入する

またMotionflowでは、映画素材の映像のがたついた動きを軽減する機能も備えている。本来24フレーム/秒の映画素材を、60フレーム/秒化する“2-3プルダウン”の処理がされた映像を検出すると、元映像のフレーム間に動きを補間したフレームを生成して挿入。映画の滑らかな動きを再現する。

またJ5000シリーズとJ3000シリーズの40V型(40インチワイド)モデル『KDL-40J3000』には、“10bitパネル”と呼ぶ液晶パネルを採用している。同パネルは、一般的なRGB各8bitの階調表現力を持つ液晶パネルに比べて、64倍の階調表現力を持つとしている。このパネルと、NTSC比約102%の色表現力を持つバックライトシステム“ライブカラークリエーション”を組み合わせることで、グラデーションの階調表現を滑らかに表現できる。

同時発売のスピーカー内蔵スタンド『RHT-G800』

J5000シリーズは同時発売のスピーカー内蔵スタンド『RHT-G800』とHDMI接続で組み合わせると、TVリモコンから1ボタンで、HDMI経由でTV側とスタンド側の音声出力切り替えや画質モード切り替えを行なえる

J5000シリーズ

KDL-40J5000
画面サイズ:40V型|パネル解像度:1366×768|輝度:450cd/m2|コントラスト:1600:1
地上/BS/110度CSデジタル放送チューナー、地上アナログチューナー搭載|主な入出力端子:HDMI入力×3、D5入力×2、S2ビデオ入力×2、ビデオ入力×3、アナログRGB(ミニD-Sub 15ピン)入力×1、光デジタル音声出力×1、10/100BASE-TX LAN端子×1
本体サイズ(W×D×H):98.1×26.5×69.6cm|重量:25.5kg
予想実売価格:30万円前後|発売日:5月25日
KDL-32J5000
画面サイズ:32V型|それ以外の主な仕様はKDL-40J5000と同等
本体サイズ(W×D×H):79.0×21.4×58.1cm|重量:18kg
予想実売価格:23万円前後|発売日:5月25日

J3000シリーズ

KDL-40J3000
画面サイズ:40V型|パネル解像度:1366×768|輝度:450cd/m2|コントラスト:1600:1
地上/BS/110度CSデジタル放送チューナー、地上アナログチューナー搭載|主な入出力端子:HDMI入力×2、D5入力×2、S2ビデオ入力×2、ビデオ入力×3、アナログRGB(ミニD-Sub 15ピン)入力×1、光デジタル音声出力×1、10/100BBASE-TX LAN端子×1
本体サイズ(W×D×H):98.1×26.5×69.6cm|重量:25.0kg
予想実売価格:28万円前後|発売日:4月25日
KDL-32J3000、32J3000/B
画面サイズ:32V型|それ以外の主な仕様はKDL-40J3000と同等
本体サイズ(W×D×H):79.0×21.4×58.1cm|重量:17.5kg
予想実売価格:21万円前後|発売日:4月25日
KDL-26J3000、26J3000/B
画面サイズ:26V型|コントラスト:1300:1|それ以外の主な仕様はKDL-40J3000と同等
本体サイズ(W×D×H):65.6×21.4×50.4cm|重量:14.5kg
予想実売価格:17万円前後|発売日:4月25日
KDL-20J3000、20J3000/B
画面サイズ:20V型|コントラスト:1100:1|それ以外の主な仕様はKDL-40J3000と同等
本体サイズ(W×D×H):49.7×19.9×39.5cm|重量:8.5kg
予想実売価格:12万円前後|発売日:4月25日

“ピアノブラック”のブラビアXも発表

ソニーでは同日、ブラビアの液晶TV製品最上位機種である“ブラビア X2500”シリーズのカラーバリエーションモデルとして、“ブラビア X2550シリーズ”3機種も発表した。

“ブラビア X2550”シリーズの『KDL-52X2550』

ブラビア X2500シリーズのピアノブラックモデル“ブラビア X2550”シリーズも発表された。写真は52V型の『KDL-52X2550』

52V型『KDL-52X2550』を筆頭に、46V型『KDL-46X2550』と40V型『KDL-40X2550』がラインナップされており、全機種ともにフルHD解像度の液晶パネル、広色域を実現する“x.v.Color”、映像処理回路“ブラビアエンジンプロ”を搭載する。仕様面ではX2500と変更はなく、液晶パネルを囲むフレーム部分に、光沢のある黒を重ね塗りで表現した“ピアノフィニッシュ塗装”を施した点が異なる。価格はいずれもオープンプライスで、予想実売価格は順に、72万円前後、49万円前後、42万円前後とされている。

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