ソネットエンタテインメント(株)は27日、東京・汐留のコンラッド東京にて2006年度の実績、2009年度までの中期ビジョンと経営指標の説明会を開催した。
経営方針は、代表取締役社長の吉田憲一郎(よしだけんいちろう)氏により説明が行なわれた。吉田氏は同社の創業からの沿革を説明した後、2006年度の連結業績予想について解説した。吉田氏は、「売上高が480億円、営業利益が34億円と共に過去最高となる見込みで、創業以来初となる配当の実施も行なう予定。接続事業としては、FTTHを中心とした売り上げと獲得個数のコントロールがポイントとなった。ポータル事業は、広告事業とソリューション事業が売り上げを伸ばした一方で、パソコン向けのコンテンツ課金などは前年から売り上げを減らしている。売り上げ減少の原因は、不採算のものを大幅に削減したため。今期においては、ソネットスポーツ・ドットコム(株)を清算、旅行サイト“スカイゲート”の全株式を(株)ディー・エヌ・エーに譲渡し、音楽配信を行なっている(株)レーベルゲートの全株式を(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントに譲渡している」と述べた。
今後の経営方針としては、ネットワークエンタテインメントの追求を行なうことを挙げた。2009年度までの経営指標については、
- 売上高成長率
- 10%以上
- 営業利益率
- 10%
- ROE(株主資本利益率)
- 10%
- 配当性向
- 20%以上
吉田氏は、各事業の位置付けとして、「接続事業は、安定したキャッシュフローを生み出す事業と位置付けている。しかし、競争関係が厳しいこともあるので、慎重に考えている。今後、利益成長のドライバーとなっていかなければならないのは、ポータル事業で、特に広告/ソリューション事業と考えている」と解説し、「エンタテインメントは21世紀のキーワードである。我が社では、ポストペットで電子メールをエンタテインメントにし、インターネットを身近なものにしてきたという自負がある。我々はエンタテインメントを成長力を考えている。ネットワークエンタテインメントをビジョンに掲げたのにはこうした背景がある」と続けた。
事業施策に関しては、FTTH、広告、ソリューションという3つの事業に注力するとし、“トップニッチ戦略”と、グループ連携の2つを施策として定めた。
FTTHは、2005年度の第2四半期から過去最高の売り上げを更新している。市場に合わせて拡大をしつつ、販路の絞り込みと、獲得コストのコントロールを継続していくとしている。販路の絞り込みとして、家電量販店での販路展開も行なっているが、限られた法人に絞っている。また同社では、早くから学生割引を導入といった大学生のマーケティングや大学生協での獲得活動に注力してきているという。
広告事業は、ラインアップの充実。営業力の強化に注力していくという。広告の強化には、テレビ広告やゲーム内広告などのグループを含めた広告のマルチウインドウ展開を行なう。
ソリューション事業は、会員ビジネス基盤の外販での拡大を考えている。データセンターやネットワーク、課金認証などの会員管理システム、SNSなどのウェブサービスが含まれる。
事業施策として挙げたトップニッチ戦略では、「エンタテインメントコンテンツ、エンタテインメントサービスはトップニッチを施行していく。具体例として、“WebMoney Award2006”のグランプリを受賞したオンラインコミュニティー“Livly Island”をキャラクター資産として推していきたい。ほかには、韓国のドラマなどを配信する“アジア・エンタメ”のCS配信の強化、ケーブル視聴者数の拡大を図っていく。ユーザーの好みでカスタマイズできるテレビ番組表“テレビ王国”のiEPG機能を利用した録画予約の件数は月に800万に達している。iEPG機能に加え、地上デジタルの番組表への対応、CGMやリコメンド機能の充実を図っていく」と述べた。