『Endeavor MT7800』は、エプソンダイレクトのデスクトップラインナップでハイパフォーマンスモデルに位置するマシンである。マイクロタワーケースとMicroATXマザーボード組み合わせは、十分な拡張性と安定したシステム冷却性能を兼ね備えており、ハイエンドユーザーも満足できるバランスの取れたマシンとなっている。Windows Vistaにも対応しており、B.T.O.メニューにHome BasicとBusinessの2つのエディションが用意されているほか、Windows XP Home Edition SP2/Professional SP2も選択できるのが特徴だ。
“Core 2 Duo Eシリーズ”全モデルを含む
豊富なCPUをラインナップ
現在、国内には数多くのB.T.O.(Build to Order、カスタムメイド可能)メーカーが存在するが、その中でもエプソンダイレクトはB.T.O.の選択肢の幅の広さが特徴となっている。本機においてもその特徴が大きく出ており、中でもCPUは豊富で、種類はCeleron D、HTテクノロジ対応Pentium 4、Pentium D、Core 2 Duoの4種が用意され、動作クロックの違いを含めると合計10種のCPUから選択できる。特にCore 2 Duoは“Eシリーズ”の全モデルがラインナップされているので、デュアルコアCPUの中から予算に合うモデルをピンポイントで指定可能となっている。なるべく安く抑えたい方にはシングルコアCPUになるが、それでも4種が用意されており、価格と性能のどちらを重視する方にも選択肢が豊富にあることが分かるだろう。
ミニタワー筐体で性能と拡張性を両立
高性能のCPUを搭載する場合は本体の冷却性能が気になるところ。例えば3Dゲームをバリバリプレイしたいがために高性能なビデオカードを搭載すると、より一層冷却への気配りが必要となる。MT7800は幅がスリムな小型ケースではなく、幅と奥行きに余裕のあるミニタワーケースを採用することと、“パッシブダクト”や9cm角の“大型リアファン”を搭載することで、システム全体を効率よく冷却できるように設計されている。ダクトを装備しているため実使用時の静音性はさほど高くはないが、CPUファンは高負荷時でもかなりゆっくり回っているためノイズレベルは標準的なクラスに止まっている。
マザーボードは、チップセットにIntel 945G Expressを採用する、台湾ASUSTeK社製のMicroATXフォームファクター『P5LP-ZA』(エプソンダイレクト向けカスタマイズモデル)を採用する。PCI Express x16スロット1本とPCIスロット3本を装備しており、ビデオカードはB.T.O.メニューのGeForce 7300GS搭載カードを始め、GeForce 7600GT搭載カードやFireGL V3300搭載カードなどがオプションで用意されており、3DゲームからCAD/CGといった特定ビジネスにも幅広く対応できる。
本機が採用するミニタワーケースは冷却面だけでなく高い拡張性へも貢献しており、PCI Express x16対応ビデオカードはカード長が190mmまでのものを装着できるほか、PCIスロットも3本のうち下2本はフルサイズ(カード長312mm)に対応する。ドライブ増設用のベイも、3.5インチが3つ(うちシャドウベイは2つ)、5インチが1つと豊富なので、後々の増設時にベイの空きを心配する必要はない。拡張を視野に入れてなるべく長く使いたい自作志向の人にも向いているマシンと言える。
今回使用した評価機は、CPUにCore 2 Duo E6300、メモリー1GB、HDD 160GB、ビデオカードなし(チップセット内蔵機能を使用)、OSがWindows Vista Businessという構成だ。CPUはCore 2 Duo E6000シリーズで最下位のモデルだが、ベンチマークテストの結果は1年ほど前ならハイエンドマシンにも匹敵する数値である。この構成でも価格は約12万円で、コストパフォーマンスを考慮するとかなりオススメと言えるだろう。ビデオエンコードなどでさらなる演算処理速度が欲しいなら、CPUをCore 2 Duo E6600や同 E6700に、3Dゲームを主にプレイするのならGeForce 7600GT搭載カードをチョイスするなどして、利用目的に合わせてB.T.O.オプションをチョイスされたい。
ベンチマークテストの結果
PCMark05 | |
---|---|
Total | 3361 |
CPU | 4494 |
Memory | 4082 |
Graphics | 1081 |
HDD | 4067 |
Video Enc | 337 |
3DMark06 | |
Total | 223 |
CPU | 1483 |
SM2.0 | 102 |
SM3.0 | None |
TPM(Trusted Platform Module) v1.2準拠のセキュリティーチップも標準搭載しており、セキュリティーを保持しながらパフォーマンスも落としたくないという企業向けパソコンとしても十分な機能を持つ。Windows XP Home Editionを選択した場合の最小構成価格は5万5650円なので、スペックは低めでもかまわないからとにかく安価でいまどきのパソコンに乗り換えたい、その後必要に応じて自分でメモリーやHDD、ビデオカードなどを拡張したいという要望にも対応できる。ハイパフォーマンスがほしい、でもなるべく安くという相反するユーザーニーズに応えるデスクトップパソコンである。
Endeavor MT7800の主なスペック | |
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CPU |
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チップセット | Intel 945G Express+ICH7 |
メモリー | PC2-4200対応DDR2 SDRAM 256MB~3GB 同容量2枚1組で装着した場合、デュアルチャネル動作可能 |
グラフィックス |
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HDD |
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FDD | オプション |
光ドライブ |
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拡張スロット | PCI Express x16×1、PCI×3 |
サウンド | Intel HD Audio |
ネットワーク | 1000BASE-T対応Gigabit Ethernet |
インターフェース | USB 2.0×6(前面4&背面2)、アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)、シリアル×1、パラレル×1、PS/2×2、オーディオ入出力(5.1ch対応) |
サイズ | 幅179×奥行き406×高さ368mm |
重量 | 約10.4kg(最小構成時)~ |
OS |
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